◎パキスタンとアフガンの国境沿いでは銃撃戦やテロ攻撃が相次いでいる。
パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のトルカム国境検問所(Getty Images)

パキスタンの国境警備隊は20日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のアフガン国境で銃撃戦が発生したと発表した。

アフガンのタリバンも同様の声明を出している。

AP通信によると、銃撃戦が発生したのはトルカム国境検問所近く。死傷者は確認されていないという。

パキスタン政府は先週、アフガンからビザなし入国を試みる負傷者の受け入れを拒否すると発表。アフガンのタリバンはこれに強く反発し、トルカム国境検問所を封鎖した。

カイバル・パクトゥンクワ州の地元警察はトルカム国境検問所付近で散発的に銃撃戦が発生していると声明をだした。パキスタン軍と外務省は今のところ声明を出していない。

タリバンの報道官はツイッターに声明を投稿。「パキスタンが約束を守らなかったため、国境を封鎖した」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

またタリバン報道官はこの地域の住民に検問所に近づかないよう勧告した。

パキスタンとアフガンの国境沿いでは銃撃戦やテロ攻撃が相次いでいる。

パキスタン南西部のアフガン国境も様々な理由で封鎖されているが、この地域で活動するイスラム過激派は国境を自由に往来している。

パキスタン軍はアフガン国境近くでイスラム過激派を定期的に取り締まっている。国境付近で発生したテロ攻撃の多くに「パキスタンのタリバン運動(TTP)」や南西部バルチスタン州の分離独立を目指す過激派「バルチスタン解放軍(BLA)」がかかわっている。

パキスタン政府は他の西側諸国に倣い、タリバン政府を承認していない。

パキスタン政府とTTPの停戦協定は昨年11月に失効し、以来、カイバル・パクトゥンクワ州ではテロ攻撃が急増している。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPはかつて南西部バルチスタン州に拠点を置き、現在はアフガンの山岳地帯に潜伏している

パキスタン政府はアフガンのタリバンにTTPを取り締まるよう要求している。

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