◎アンバーの弁護士は審理の冒頭、下品な言葉で妻をののしるジョニーの音声クリップを公開した。
2022年4月25日/バージニア州フェアファックスの地方裁判所、女優のアンバー・ハード(Steve Helber/Pool/AP通信)

俳優のジョニー・デップは25日、元妻アンバー・ハードに対する5000万ドル(約63億円)の名誉毀損裁判における過酷な4日間の証言を終えた。

アンバーの弁護士は審理の冒頭、下品な言葉で妻をののしるジョニーの音声クリップを公開した。

ジョニーは音声クリップに動じることなく、「名誉毀損裁判を起こしたのは、自分の評判を取り戻す最後のチャンスだと思ったからです」と落ち着いた声で話した。

またジョニーは元妻をののしったことについて、「唯一、私に与えられた反撃の機会でした」と説明した。

ジョニーはワシントン・ポスト紙が2018年に掲載した記事の中で、アンバーが「家庭内暴力を(受けた女性を)代表する公人になった」と主張したことに憤慨し、5000万ドルの訴訟を起こした。

ジョニーはアンバーを殴ったことは一度もないと改めて主張し、「彼女は私を殴り、ペンキの缶やウォッカのボトルを含む物体を投げつけた」と非難した。

またジョニーはアンバーに何度も罵声を浴び、侮辱されたと主張した。アンバーは音声クリップの中でジョニーを愚弄し、「仮にあなたが私を虐待者と告発しても、誰も信じない、誰にも尊敬されない」と述べている。

またアンバーは音声クリップの中で、「ジョニー・デップは家庭内虐待の被害者だと言ってみましょう。何人があなたのことを信じるか、味方してくれるか試してみましょうよ」と語っている。

しかし、陪審員たちは暴力に発展する可能性がある発言を聞いていた。

ジョニーは「もし私が立ち去らなければ.....血の海になるだろう」と語っている。

別の部分では、アンバーに下品な言葉を叫び、「このバカ...」とFワードを連呼していた。

ジョニーはいくつかのシーンが再生されると証言台で涙を流し、アンバーも涙をこらえているように見えた。

この音声クリップ公聴会は先週始まった。

アンバーの弁護士はジョニーの飲酒、薬物使用、アンバーへの貢ぎ物などに焦点を当てている。

ジョニーは弁護士の質問に不快感を示し、ある回答をしたとき、「話を途中で遮られた」と憤慨した。「話はまだ終わっていません...」

アンバーの弁護士は「あなたは質問に答えました」と応戦し、ジョニーは「あなたが幸せならいい」と投げやりな態度を示した。

またジョニーは弁護士が古いネガティブな記事や新聞の見出しを読み上げ質問したことにも不服そうな表情を浮かべた。「あなたは残酷な人です。本当にひどい...」

アンバーの弁護士はジョニーの人気や評判が低下したのは2018年のポストの記事ではなく、長年の悪行であることを証明しようとした。

ジョニーは今回の裁判で、自分の名誉と評判が2018年の記事で傷つけられたと証明する必要がある。しかし、ここまでの審理は二人の短い結婚生活と醜態にばかり焦点が当てられており、何が何だか分からなくなっている。

アンバーは記事の中で「家庭内暴力を(受けた女性を)代表する公人になった」と述べているが、ジョニーの名前には言及していない。

ジョニーは「アンバーとの喧嘩で指を切断した際、医師に自分の過ちで負傷したと説明しました」と陪審員に改めて訴えた。ジョニーは愛する妻を守るために、医師に嘘をついたと主張している。

「なぜ50代で指を切り落とさなければならないのですか?」

ジョニーは右手を陪審員に見せ、アンバーのボトル爆弾で指が吹き飛んだと主張した。「私は今、吹き飛んだ指をリトル・リチャードと呼んでいます...」

しかし、陪審員はアンバーの弁護士が提出したジョニーの飲酒、薬物使用、当時の妻との交流に関する友人への数十通のメール、アンバーとその父親への(暴力を詫びる)悔恨のメモを見ている。

ジョニーは薬物使用を認めているものの、「薬物中毒」と呼ばれる筋合いはなく、薬物使用に関する噂は明らかに誇張されていると主張した。

ジョニーとアンバーは2011年に公開されたコメディ映画「ラム・ダイアリー」で共演し、結婚した。

ジョニーの弁護士によると、アンバーはジョニーの評判を落とし、ハリウッドから追放し、その結果、ジョニーは収益性の高い映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを失ったという。ジョニーは海賊ジャック・スパロウを演じ、ハリウッド屈指の高給取りになった。

2022年4月25日/バージニア州フェアファックスの地方裁判所、俳優のジョニー・デップ(Steve Helber/Pool/AP通信)
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