◎ジョニーは20日の証言でアンバーの主張を改めて否定し、「彼女の誤った主張がキャリアに打撃を与えた」と説明した。
2022年4月20日/バージニア州フェアファックスの地方裁判所、女優のアンバー・ハード(Jim Watson/Pool/AP通信)

俳優のジョニー・デップは20日、元妻アンバー・ハードに対する5000万ドル(約63億円)の名誉毀損裁判で「妻に襲われたが、私は反撃しなかった」と証言した。

ジョニーは昨年、アンバーの告発記事を掲載したタブロイド紙The Sunをめぐる一連の裁判で敗訴し、地位と名誉と名声を失った。

アンバーは審理の中で、「ジョニーから平手打ちされ、押し込まれ、髪を引っ張られ、手榴弾のようにボトルを投げつけられた」と主張したが、ジョニーは元妻の主張を否定し、「脅迫的な嘘つき」と非難した。

ジョニーはワシントン・ポスト紙が2018年に掲載した記事の中で、アンバーが「家庭内暴力を(受けた女性を)代表する公人になった」と主張したことに憤慨、元妻に対する5000万ドルの訴訟を起こし、現在に至る。

ジョニーは20日の証言でアンバーの主張を改めて否定し、「彼女の誤った主張がキャリアに打撃を与えた」と説明した。

ジョニーは陪審員に「暴力は必要ありません。そして、このままではいけません」と訴えた。

またジョニーはアンバーの告発について詳しく言及した。アンバーは2013年にジョニーの「Wino Forever」というタトゥーをバカにした後、ジョニーに平手打ちされたと主張している。

ジョニーは女優ウィノナ・ライダーと交際していた頃に「Winona Forever」と彫り、別れた後「Wino Forever」に修正したそうだ。

ジョニーは「自分のタトゥーをからかわれたくらいで、なぜそんなに腹を立てるんだ?あの主張は全く理解できないよ」と陪審員に説明した。「私は殴っていません」

さらに、2014年にボストンからロサンゼルスへ向かうプライベート機の中で発生したとされる暴行疑惑についても言及した。アンバーはジョニーが機内でブラックアウトするほど酩酊し、暴行を加えたと主張している。

ジョニーは「私はオキシコドン(半合成麻薬)を2錠飲み、ハードさんの悪口を言われないよう機内のトイレに閉じこもり、眠ってしまった」と証言した。

またジョニーは、搭乗前にシャンパイを1杯だけ飲んだと証言した。しかし、前回の裁判でタブロイド紙The Sunが提出した証拠によると、ジョニーは友人の俳優ポール・ベタニーに送ったメールの中で、「フライト前にウィスキー半本、レッドブルウォッカ1000本、シャンパン2本を飲んだ」と述べている。

ジョニーは2015年の結婚直後にオーストラリアで発生したとされる中指切断事件について言及した。ジョニーの弁護士によると、アンバーは婚前契約書にサインするよう求められたことに憤慨していたという。

「ハードさんはウォッカの瓶を2本投げつけ、2本目が爆発し、中指の骨が露出するほど切断されました」

中指を失ったとされるジョニーは医師に、「ケガは暴力ではなく自分の過ち」と説明し、アンバーを守ったと証言している。しかし、アンバーの弁護士はジョニーの主張を否定し、嘘を証明できる証拠を持っているとした。

ジョニーは離婚手続きが進む中で発生した最後の生々しい喧嘩について説明した。「ハードさんと友人たちは私が暴行したように見せかけました。その後、ハードさんは接近禁止令を求め、顔に傷のある写真を公開したのです」

ジョニーは別れの時が来たと悟り、最後の喧嘩が始まったと説明した。「私はハードさんが二人でシェアしていたペントハウスのベッドに人糞を置いたことを非難しました。ハードさんは人糞を否定し、小型犬のせいにしましたが、私は彼女はウソをついていると確信しました」

アンバーは人糞疑惑を強く否定している。

ジョニーとアンバーは2011年のコメディ映画「ラム・ダイアリー」で知り合い、2015年に結婚し、翌年離婚を申請した。

ジョニーはアンバーの目を見た時、「何もかも間違っている」と感じ、まもなく結婚生活に変化が起こり始めたと説明した。「暴力が日常になり、ハードさんは私を平手打ちしたり突き飛ばしたりしました。テレビのリモコンやワイングラスを投げつけられたこともあります」

「私はバスルームに閉じこもり、ハードさんから身を守り、自分の殻に閉じこもるようになったのです」

ジョニーはアンバーの虐待を忘れるためにドラッグとアルコールにおぼれたと証言した。またアンバーも大酒飲みで、関係を修復するために断酒を勧めたが、アンバーはそれを拒否したという。

反対尋問は21日に行われる。

2022年4月20日/バージニア州フェアファックスの地方裁判所、俳優のジョニー・デップ(Jim Watson/Pool/AP通信)
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