何を重視すべきか?

どんな女性と結婚したいか、と真剣に考えだしたのは20代後半頃からだった。

結婚は妥協である」と友人に言われた時、「それは違う」と思わず反論したことを今でも覚えている。私は「イヤなら結婚しなければいい/妥協するような関係のパートナーとは絶対結婚しない」と心に誓っていた。

パートナーに求める条件は年と共に変化する(と思う)。若い頃は顔とスタイルばかり重視していた。また、最高のセックスができれば他には何もいらない、と考えていた時期もあった。

しかし、いろんな女性と付き合い、考えが変わった。妻は標準的な日本人女性である。容姿、カップサイズ、身長、体重、どれをとっても平均的だ。なぜモデルのような女性を追いかけず、普通の女性を選んだのか。

妥協したわけではない。「一緒にいて落ち着く女性だった」からである。同じ趣味を持ち、1日中話しても苦にならない。気が合ったのである。

パートナー、恋人探しは楽しい、と私は思う。友人の紹介で異性を紹介してもらうと嬉しいし、バーやイベントで探してもいい。楽しく付き合える、セックスできる相手と出会った時のワクワク感がたまらない。

意中の異性にアプローチし、受け入れてもらえればカップル成立である。その時は、「理想の女性(男性)に巡り合えた」「いい女(男)とセックスできる」と有頂天になる。

しかし、付き合い始めた途端、これまで見えなかった「相手の欠点」が気になり始める。

24歳の時に付き合った昌(仮名)は、スタイル抜群で自分好みのショートヘア、文句のない女性だと思った。

週末、彼女の部屋でセックスしている時は最高に幸せだった。

付き合い始めてから数か月、昌は洗濯物をため洗いする習慣があり、洗濯カゴは常に山積み状態だった。私は居ても立ってもいられなくなり勝手に洗濯すると、彼女は烈火のごとく怒った。

「洗濯は週1回でいい、勝手に触るな」と彼女は言った。私はどちらかというと几帳面で、山積みの衣服を見ると胸がモヤモヤしてしまうのだ。

「洗濯は週1回」を欠点と感じるか否かは人によって異なる。私は欠点だと思った。そして、相手の欠点を知って(気づいて)しまうと、他の問題点にも目が行くから不思議である。

「洗濯は週1回」「自分の話ばかりする」「靴ばかり購入し、金がないと喚く」「他人の悪口ばかり言う」など、問題点が気になりだし、結局洗濯事件から1週間後には別れていた。

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誠実さ

生粋のニューヨーカーだと自負するサラ(仮名)は、パートナーとの熱い関係を求めつつも、「結婚は考えていない」と言った。

しかし、彼女の愚痴を聞いていると、「明らかに結婚を意識しているのではないか?」と思わずにはいられない。

サラがパートナーを探す際に重要視することは、「セクシー」「自立している」「楽しい」などらしい。資金力や仕事にはあまりこだわらず、見た目と人間性を重視するのだろう。

しかし、付き合い始めた途端、相手に「誠実さ」だけを求めるようになる。サラは、「疲れている時はベッドで添い寝してくれる。他の女性に一切目移りしない。真剣かつ誠実に愛してくれる男性だと思っていたのに、付き合い始めた途端、クソったれに変身する。マンハッタンにはまともな独身男性がいない」とカクテルを飲みながらグチグチ文句を垂れていた。

サラは結婚には興味がないと言いながらも、実はパートナーとの将来を真剣に考えているのかもしれない。都合のよい男性と付き合いたい自分勝手なアバズレに見えなくもないが、彼女は自分のルールに従っているだけだ。

女性はパートナーに「誠実さ」を求める。しかし、私の友人たちは付き合う前のハードル(諸条件)が高い。そして、彼女たちの求める条件をクリアしたうえで誠実、という独身男性は非常に少ないのである。

私は自分の欠点を理解している、と思っている。自立しているが、セクシーではないし、よく忘れ物をする。サボテンを枯らす、方向音痴、鈍感(とよく言われる)、酔っぱらうと裸になるなど、欠点を挙げれば枚挙にいとまがない。

サラも同様である。なお、彼女は自分の欠点を認め、「しつこい、疑り深い、約束をすぐ破る、秘密を守れない、感情的過ぎる、タバコ、バッグに目がない」などの条件(性格?)を全て受け入れてくれる恋人でなければ話にならない、と力強く語ってくれた。

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妥協してもよい

自分の欠点を受け入れてほしい女性」は、パートナーの欠点も受け入れるべきだろう。

ただし、結婚しないもしくはするつもりがないのであれば、さっさと別れ、より良い相手を探せばよい。

友人のゲイAは、結婚を夢見るゲイである。彼はパートナー探しに奔走し、手当たり次第にアタックするタイプだった。

彼が付き合う男たちは、素人目(?)で見ても問題あり、と分かる連中ばかりだった。Aが半年ほど付き合ったダニー(仮名)は性格のねじ曲がった(?)男で、常に怒っていた。

Aに対する暴言は当たり前。私は、ウェイターを非人のように扱うその姿を見た時、「マンハッタンのゲイはクソったれだ」と心から思った。

しかし、ダニーはかなりのセクシー系かつ男前だった。Aはダニーに惚れ込み、「何を言われても気にしない、妥協する」と言い切っていた。

その後、二人は紆余曲折を経て別れることになった。誠実さの欠片もない男に振り回されたAは、「目が覚めた。誠実で楽しくて優しい男を選ばなければならない」と言い、ダニーとの思い出をキレイさっぱり消し去った。

ダニーは結婚願望が強いものの、一部の女性と同じく、「セクシーさ」に惹かれ、それ以外の欠点が見えなくなる傾向にある。次に付き合った男性もセクシーで男前だったが、話が全くかみ合わず1カ月ほどで破局した。

結婚したければ妥協すべきである。ただし、欠点を補って余りある「良い点」があれば、の話だ。「一緒にいると幸せな気分になる」「三日三晩話続けても飽きない、楽しい」のであれば、「料理が下手」「お腹が出ている」「洗濯物をため込む」などの欠点には目をつぶってもよい、と私は思った。

ニューヨークには、数百万人の独身男性と独身女性(ゲイを含む)が暮らしている。その中から運命の人を探す”作業”は困難を極めるように思えるが、本当に気の合うパートナーを見つけるだけなら、そこまで難しくないはずだ(恐らく)。

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