◎バルセロナの降水量はこの3年、平年を大幅に下回り、干ばつが常態化。多くの貯水池が干上がり、給水制限を導入している地域もある。
2024年4月14日/スペイン、カタルーニャ自治州郊外、干上がった貯水池(ロイター通信)

スペイン北東部カタルーニャ自治州がバルセロナの飲料水を確保する取り組みの一環として、海水を淡水化する浮体式プラントを設置する予定である。地元当局が18日、明らかにした。

バルセロナの降水量はこの3年、平年を大幅に下回り、干ばつが常態化。多くの貯水池が干上がり、給水制限を導入している地域もある。

地元メディアによると、自治政府は今年後半に港の沖合に淡水化プラント設置する予定だという。

自治政府はフェイスブックなどに声明を投稿。「このプラントは今年10月に稼働を開始する予定である」と書き込んだ。

自治政府が現在運営している常設淡水化プラントはバルセロナで消費される水道水の25%を生産している。臨時プラントは6%に相当する水を生産できる。

バルセロナは海水の淡水化と浄水システムで水需要を賄っている。

報道によると、バルセロナを含むカタルーニャ中部と北部の600万人に水を供給している貯水池の貯水率は17日時点で18%まで低下したという。

自治政府は2月に干ばつ非常事態を宣言。春の雨で貯水率は多少改善したものの、制限を維持している。

各家庭に供給される水道水は1人当たり1日200リットルに制限。灌漑用水の使用量は従来の80%、家畜用水は50%、工業用水は25%に削減された。

自治政府は声明の中で、「このプラント追加により、生活に欠かせない飲料水をより多く確保することができる」と強調。当初考えていたコンテナ船による飲料水の輸送は不要になるという見方を示した。

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