◎フレディは世界の歴史上、最も長く暴風雨を維持したサイクロンとなった。
2023年3月13日/モザンビーク中部の集落(Getty Images)

アフリカ南部マラウイとモザンビーク当局は14日、サイクロン・フレディが広い範囲に豪雨をもたらし、200人以上が死亡したと明らかにした。

フレディは先月上旬にオーストラリア北西部沖で発生。インド洋を西に進み、先月21日にマダガスカルに上陸、その後モザンビークに移動し、周辺海域で勢力を強め、マダガスカル西部の広い範囲に2度目の被害をもたらし、11日夜にモザンビークに、翌日マラウイに再上陸した。

フレディは世界の歴史上、最も長く暴風雨を維持したサイクロンとなった。14日午前の勢力はカテゴリー1以下となったものの、アフリカ南部の広い範囲に大雨をもたらしている。

<ハリケーンの勢力>
▽カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:秒速 70~(m/s)

マラウイでは複数の地点で土砂崩れが報告された。当局によると、これまでに190人の死亡を確認したという。

政府報道官は記者会見で、「犠牲者は増える可能性が高い」と述べた。被害の全容は明らかになっていない。

当局によると、土砂崩れや家屋の倒壊で少なくとも134人が負傷、数十人と連絡が取れないという。経済の中心地ブランタイヤでは100人近くが死亡。市民は泥まみれになりながら、素手で行方不明者を探している。

ブランタイヤのある住民はAFP通信の取材に対し、「政府は今すぐ救助隊を派遣すべきだ」と語った。

マラウイは昨年3月以来、コレラの大流行に直面しており、この1年で3万人以上が感染、1600人以上が死亡している。国連はこの災害で衛生環境がさらに悪化し、感染者の急増を招く恐れがあると警告している。

国連児童基金(ユニセフ)は14日、マラウイの状況について、「広い範囲が冠水し、衛生環境も劇的に悪化しているため、コレラを含む水系感染病を拡大させる可能性が高い」と警告した。

マラウイのチャクウェラ(Lazarus Chakwera)大統領は南部地域に非常事態を宣言し、被災地に必要な支援を提供すると約束した。

またチャクウェラ氏は国際社会と人道機関に支援を呼びかけた。南部の10地区の自治体は市内の学校に15日まで休校するよう命じている。

隣国モザンビークでは少なくとも20人が死亡、数十人が負傷したと報告されている。

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