ベネズエラ前大統領の麻薬密売裁判、2027年6月1日初公判=米NY地裁
両被告は起訴内容を全面的に否認しており、公判では麻薬密輸への関与だけでなく、米国による身柄拘束の適法性や国家元首としての免責特権の適用を巡る法廷闘争が展開される見通しである。
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米ニューヨーク州の連邦地裁は22日、麻薬密輸などの罪で起訴されているベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro、勾留中)前大統領とその妻シリア・フロレス(Cilia Flores)被告の公判を2027年6月1日に開始すると決定した。
両被告は起訴内容を全面的に否認しており、公判では麻薬密輸への関与だけでなく、米国による身柄拘束の適法性や国家元首としての免責特権の適用を巡る法廷闘争が展開される見通しである。
マドゥロは今年1月、ベネズエラの首都カラカスの自宅で米当局による作戦で拘束、その後米国へ移送された。米司法省はマドゥロが長年にわたり大量のコカインを米国へ密輸する組織的な犯罪に関与したとして、麻薬密輸共謀などの罪で起訴している。有罪となれば終身刑が科される可能性もある。フロレス被告も共犯として同様の罪に問われている。
ニューヨーク・マンハッタン連邦地裁で開かれた審理は短時間で終了し、その後、判事が公判日程と今後の手続きを確認した。次回の審理は11月17日に予定され、弁護側が提出する起訴棄却請求について口頭弁論が行われる予定である。両被告は保釈を求めず、引き続きブルックリンの拘置施設で勾留される。
弁護側はマドゥロがベネズエラの正統な大統領であり、外国の裁判所による刑事裁判の対象とはならないと主張する方針を示している。また、米軍による拘束作戦と国外移送は国際法に反する「拉致」に当たるとして、手続きそのものの違法性も争う構えである。マドゥロ自身も無罪を主張し、自らを「ベネズエラの憲法上の大統領」と位置付けている。
これに対し米司法省は、今回の作戦は数年前から進められてきた刑事捜査に基づく合法的な法執行活動であり、被告の主張には根拠がないと反論している。検察は証拠開示や各種申し立ての審理には相当な時間を要するとして、公判開始まで約1年の準備期間が必要だと説明した。
今回の裁判は麻薬犯罪の立証だけでなく、外国の元国家元首に対する米国の司法権行使や国際法上の免責特権の範囲など、多くの法的論点を含む異例の事件となる。南米情勢や米・ベネズエラ関係にも大きな影響を及ぼす可能性があり、公判の行方に国際社会の注目が集まっている。
