カリフォルニア州、山火事の「煙害」基準を全米で初めて法制化へ
背景には、近年の大規模な山火事によって、建物が焼失しなくても深刻な被害が残るケースが増えていることがある。
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米カリフォルニア州で、山火事による住宅などへの「煙害」を対象とした全米初の基準づくりが進んでいる。州議会は8月、山火事の煙や灰によって汚染された住宅や学校について、検査や除染の方法を明確化する法案を可決した。ニューサム(Gavin Newsom)知事の署名を経て成立すれば、カリフォルニア州が全米で初めて、山火事の煙害に関する具体的な基準を設けることになる。
背景には、近年の大規模な山火事によって、建物が焼失しなくても深刻な被害が残るケースが増えていることがある。2025年1月にロサンゼルス周辺で発生した山火事では、多数の住宅が炎による直接的な被害を免れた一方、煙や灰に含まれる有害物質による汚染が問題となった。鉛やアスベスト、ベリリウムなどが住宅内部に残留する可能性も指摘されている。
これまで、煙害をどの程度受ければ住宅を「汚染された」と判断するのか、どのような検査や清掃が必要なのかについて、統一された科学的基準は存在しなかった。そのため、被災者と保険会社の間で補償対象となる被害の範囲をめぐる判断が食い違い、住宅の修復や再入居が長期化する問題も起きていた。AP通信によると、保険請求約4万件のうち1万3000件以上が煙害に関係していたという。
成立が見込まれる法案の一つは、州当局に対して煙や灰、火災残留物による汚染を特定し、除去するための基準を策定するよう求める。別の法案では、一定の地域について、山火事による汚染を推定し、保険会社に検査費用や一時的な住居費などを負担させる仕組みが盛り込まれている。
山火事の大型化が続く中、今回の制度は「家が燃えなければ被害は終わり」という従来の考え方を見直す動きでもある。カリフォルニア州で確立された基準が今後、同様の山火事に直面する他州の制度づくりにも影響を与える可能性がある。
