SHARE:

タイ洪水で死者23人、バンコク空港も混乱、政府は緊急支援と長期治水策

洪水は国内42県に及び、被害額は3億6700万ドルと推計されている。
2026年9月27日/タイ、首都バンコク市内(ロイター通信)

タイで9月16日以降続く大雨と洪水により、少なくとも23人が死亡した。政府が29日、明らかにした。首都バンコクでは記録的な雨量を観測し、広範囲で浸水が発生した。政府は被害への対応を急ぐ一方、主要空港では欠航や大規模な手荷物滞留が発生し、観光業を含む経済活動への影響も広がっている。

バンコクでは先週、3日間で約320ミリの雨が降った。これは通常の9月1カ月分に近い雨量で、市内では道路や住宅地が相次いで冠水した。政府は主要道路の水が引くまで2日程度を見込む一方、浸水が深刻な地域では復旧に1週間程度かかる可能性を示した。

洪水は国内42県に及び、被害額は3億6700万ドルと推計されている。バンコクでは少なくとも4人が死亡、洪水による人的・物的被害が拡大した。政府は4億バーツ超の緊急支援策を閣議決定し、被災者への救済を進める方針だ。

混乱はバンコク近郊のスワンナプーム国際空港にも及んだ。報道によると、タイ国際航空では洪水の影響で職員の半数が出勤できず、29日にバンコク発便の約30%に当たる約30便を削減すると発表した。

過去数日間にはほぼすべての便で遅延が発生し、約5600個の手荷物が空港に取り残される事態となった。タイ空軍も地上業務を支援するため人員を派遣した。

洪水は観光立国タイにとって重い問題となる。2026年1~9月の外国人旅行者数は前年同期比3.12%減の2128万人にとどまっており、今回の混乱が観光需要にさらなる影響を与える可能性がある。政府は被害への対応に加え、バンコクと周辺地域の洪水対策を強化するため、1600億バーツ規模の治水事業も承認した。事業期間は8年を予定している。

今回の洪水では、大雨時の都市インフラの対応力と、空港を含む交通網の危機管理が課題として浮上した。政府は復旧だけでなく、今後の洪水被害を抑えるための排水能力向上や都市インフラ整備を進める必要がある。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ