◎ドイツはロシア産天然ガスの供給量が大幅に減少したことを受け、エネルギー政策の一部見直しを進めている。
2022年10月17日/ルクセンブルグで開かれたEU外相会合、ベーアボック独外相(Virginia Mayo/AP通信)

ドイツのベーアボック(Annalena Baerbock)外相は19日、来月開幕するCOP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)の気候変動に関する交渉が合意に達するという保証はないという見解を示した。

約200カ国の政府関係者は来月、エジプトのシャルムエルシェイクに集まり、地球温暖化と気候変動対策について協議する予定だ。

COPは会議終了までに成果文書を採択することになっている。

この協議は例年、しばしば紛糾し、時間をオーバーし、全参加国の支持を得るために書き換えを余儀なくされる。

ドイツ通信社(dpa)によると、緑の党を率いるベーアボック氏は連邦議会の公聴会で、「この激動の時代に成果文書が自動的に採択されると考えるべきではない」と述べた。

ベーアボック氏は「ドイツ政府の最低目標は何か?」と問われ、「開催することだ」と答えた。「現在の世界情勢を考えると、開催自体難しいかもしれない..」

またベーアボック氏はCOP27で温室効果ガスのひとつであるメタンの排出量削減に関する新たな政府公約を発表する予定と明らかにした。

運輸省は19日、今後3年間で63億ユーロを投資して電気自動車の充電インフラを拡充する計画を発表した。

ドイツはロシア産天然ガスの供給量が大幅に減少したことを受け、エネルギー政策の一部見直しを進めている。

ショルツ(Olaf Scholz)首相は17日、今冬のエネルギー不足に対処するため、国内で稼働中の3つの原子力発電所の運転期間を4月まで延長するよう関係閣僚に命じた。

<COP26の主な成果(概要)>
気温上昇を産業革命以前の平均気温のプラス1.5℃以内に抑えるという「努力目標」を世界の共通目標とする。

▽世界の森林面積の約85%を占める100か国以上が2030年までに森林破壊を終了するに合意。

▽温室効果ガス排出削減枠をクレジットとして取引する仕組みが成立。これにより、パリ協定のルールブック交渉は完了した。

▽成果文書に初めて石炭などの化石燃料を「規制する」と明記された。

▽米国と中国が気候変動問題で今後10年間協力すると共同声明を発表。

▽ポーランド、ベトナム、チリなど40カ国以上が石炭からの移行に合意。中国、インド、米国、オーストラリア、日本、その他の石炭に依存している国は拒否。

▽米国とEUが2030年までにメタン排出量を70%削減するグローバルパートナーシップを締結。

2021年11月3日/COP26の会場(Alberto Pezzali/AP通信)
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