アフリカ経済「スーパーエルニーニョ」で大打撃の恐れ、AfDBが警告

エルニーニョ現象は太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなることで世界各地の気候に影響を及ぼす現象である。
干ばつのイメージ(Getty Images)

アフリカ開発銀行(AfDB)は26日、今後発生が見込まれる「スーパーエルニーニョ」によって、アフリカ諸国が100億~200億ドルの経済的損失を被る可能性があるとの見通しを示した。AfDBの気候変動・グリーン成長部門を統括するニョング(Anthony Nyong)氏は、異常気象による被害は各国の国内総生産(GDP)を平均で1~2%押し下げる恐れがあり、食料不足や大規模な人口移動を引き起こす可能性があると警告している。

エルニーニョ現象は太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなることで世界各地の気候に影響を及ぼす現象である。特に「スーパーエルニーニョ」と呼ばれる非常に強い現象が発生した場合、アフリカでは地域によって深刻な干ばつや豪雨、洪水が発生しやすくなる。これらの異常気象は農業や漁業、水資源、交通インフラに大きな被害を与え、経済活動全体を停滞させる要因となる。

農業分野への影響はすでに表れ始めている。AfDBによると、アフリカでは2026年だけで主要穀物であるトウモロコシの価格が一部地域で2倍近くまで上昇する可能性がある。農作物の収穫量が減少すれば、食料価格の高騰を通じて家計を圧迫し、栄養不足や飢餓人口の増加につながることが懸念される。また、海水温の上昇や暴風雨の増加は漁業にも悪影響を及ぼし、沿岸地域の生計を脅かす要因となる。

とりわけ、スーダン、ナイジェリア、南スーダンなど、紛争や経済的課題を抱える国々では、気候災害が既存の社会不安をさらに深刻化させる恐れがある。干ばつや洪水によって生活基盤を失った住民が国外へ移動するケースが増えれば、受け入れ地域への負担や地域紛争の激化につながる可能性も指摘されている。ニョング氏は声明で、「気候災害が発生するたびに各国の開発努力が後退し、貧困削減の成果が失われかねない」と危機感を示した。

一方で、気候変動への適応資金は不足している。AfDBはアフリカ全体で2026年だけでも約1000億ドル規模の資金が必要になると試算するが、2023年に国際社会から提供された適応支援は約260億ドルにとどまった。

資金不足の解消に向け、AfDBは9月に専門家会合を開き、気候リスクに対応した投資の在り方を議論する予定である。11月にトルコで開催予定のCOP31(国連気候変動枠組み条約第31回締約国会議)を前に、国際社会にはアフリカの気候変動対策への支援拡大が改めて求められている。

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