◎対象は18歳以上、接種間隔は4週間を推奨、2回目接種から14日以上経過で有効性78%。
2021年3月4日/インド、バーラト・バイオテック社のコヴァクシン(Getty Images/AFP通信)

11月3日、世界保健機関(WHO)はインドの製薬会社バーラト・バイオテックが開発したコロナワクチン「コヴァクシン」の緊急使用を承認した。これでWHOが緊急使用を認めたコロナワクチンは8つになった。

インド政府は今年1月にコヴァクシンの緊急使用を許可したが、当時臨床試験の第三段階は終わっておらず、懸念と批判を引き起こした。

WHOによると、コヴァクシンの有効性は78%で、他のワクチンより保管しやすく、貧しい国での接種に非常に適しているという。

一方、WHOが招集した専門家委員会は、妊婦への接種における安全性と有効性のデータが不十分と指摘した。バーラト・バイオテック社はこの指摘を解消する追加の研究を計画している。

WHOの専門家委員会は7月にバーラト・バイオテック社が緊急使用の承認を求めた際、より多くのデータを提出するよう求めていた。

WHOの医薬品アクセス担当副局長であるマシアン・ジェラシマン博士は声明の中で、「8番目の緊急使用許可はパンデミックの終息に向けた取り組みを加速させるでしょう」と述べた。

<緊急使用許可の概要>
・対象は18歳以上。
・接種間隔は4週間を推奨。
・2回目接種から14日以上経過で有効性78%に。
・保管が容易で低中所得国の展開に適している。
・妊婦の安全性と有効性データが不足。

コヴァクシンを求めている国はほとんどなく、インド政府とバーラト・バイオテック社はWHOの緊急使用許可で流れが変わることを望んでいる。インド国内におけるコヴァクシンの接種数は10月末時点で約1億1,000万回。

インド政府は自国産ワクチンを強く推奨しているが、バーラト・バイオテック社は生産体制に問題を抱えている。インドの保健省は今年7月、同社は毎月平均2,500万回分のワクチンを生産しており、今後、月間生産量を5,800万回まで増やすと見込まれていると述べていた。

バーラト・バイオテック社は2021年末までに生産量10億回(月間8,000万回以上)を目指しているが、達成は難しいと伝えられている。

インドで最も支持されているワクチンはアストラゼネカのインド製バージョンである「コビシールド」で、総接種数は8億回を超えた。

13億超の人口を抱えるインドのワクチン展開は比較的順調に進んでおり、少なくとも1回接種した人は人口の約53%、接種を終えた人は約24%まで上昇した。11月2日の新規陽性者数は11,903件、死亡者は311人。直近1週間の陽性者は1日あたり約13,000件。

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