◎市内の24日の新規陽性は2万1000人以上、過去最多となる39人の死亡を報告した。
2022年4月16日/中国、上海のPCR検査所(Alex Plavevski/EPA通信)

中国当局は上海市のコロナウイルス感染が収束しないことを受け、陽性者の多い地域の住宅入り口に緑色のフェンスを設置し始めた。

中国版ツイッターのWeiboによると、グリーンモンスターは何の前触れもなく出現し、建物内の住民は火災が発生しても屋外に退避できなくなった。

上海当局はオミクロン株を抑えることに苦労しており、新規陽性者は連日2万人を超え、24日には39人が死亡した。

Weiboユーザーは、白い防護服を着た当局者が集合住宅の入り口を封鎖し、緑色のフェンスを歩道に設置している画像を複数共有している。

英BBCニュースは情報筋のコメントを引用し、「高さ2mほどのフェンスは、1人以上の陽性者を報告した封鎖区域の建物の周辺に設置されるようだ」と報じた。

封鎖区域内に住む人々は全員、陰性であろうとなかろうと、屋外に足を踏み出すことを禁じられた。

当局はフェンスに関する声明を発表していないとされる。

しかし、自治体が出したとされる4月23日付けの通知には、「いくつかの地域で厳しい検疫を実施する」と書かれている。この通知もWeiboで共有された。

上海在住の外国人はBBCの取材に対し、「3日前に自分の住む集合住宅に緑色のフェンスが出現した」と説明した。

この外国人によると、3週間前、集合住宅の住民のひとりが感染したという噂が流れ、まもなく入り口を封鎖されたという。「作業員は何の前触れもなくバリアを設置しました。うちの敷地内には長い廊下があり、そこにも緑のフェンスが設置されています...」

ある動画には、フェンスを設置しようとする作業員にバルコニーの住民が怒鳴り散らし、その後、バリケードを撤去する作業員の姿が映っていた。フェンスを引き倒した人もいると報告されている。

あるWeiboユーザーは「火事が起きても逃げられない」と懸念を表明した。「火事が起きたらどうするんだ?まともな神経の持ち主なら、人の家の入り口を封鎖しようなんて思わない」

大急ぎでバリアを張る作業員がいる一方、当局はロックダウンの長期化に不満を表明するSNSユーザーが共有する人気動画の削除に躍起になっている。

Weiboに投稿された約6分の動画は多くのユーザーに共有され、注目を集めた。

女性は「もう何日も食べていない」と助けを求め、別の男性は「餓死したくない」と訴えている。「上海市民の声」と題されたこの動画はWeiboとWeChatで広く共有されている。

保健当局によると、市内の24日の新規陽性は2万1000人以上、過去最多となる39人の死亡を報告した。

アジア最大の金融都市である上海の飢餓危機は、共産党のボロボロのゼロコロナ政策が崩壊しかけていることを意味している。

しかし、指導部は政策を追求すると国民に約束し、市内と住宅の消毒作業を開始し、封鎖区域の住民の外出を防ぐために電子アラームを設置するなど、対策を強化している。

国営の機関誌「人民日報」は今週、指導部の姿勢を絶賛し、「継続は力なり」と国民に呼びかけた。

2022年4月24日/中国、上海の通りを消毒する当局者(Getty Images/AFP通信)
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