◎「ホイアの森」はルーマニアのバミューダトライアングルと呼ばれ、200頭の羊が行方不明になったとされるバチウの羊飼い伝説で有名になった。
2013年3月10日/ルーマニア、ブラン、「ドラキュラ城」として有名なブラン城(Getty Images/AFP通信)

ルーマニア北部トランシルバニアにある「世界で最も幽霊が出る森」は、複数の超常現象を体験できる人気ホラー観光スポットとして人気を集めている。

現地メディアによると、当局はコロナウイルス感染拡大にもかかわらず、幽霊の森で進行中のハロウィーンイベントを許可したという。参加者はワクチン接種証明書の提示を求められる。

「ホイアの森」はルーマニアのバミューダトライアングルと呼ばれ、200頭の羊が行方不明になったとされるバチウの羊飼い伝説で有名になった。

ホイアの森を訪れた訪問者は、しばしば頭痛、めまい、動悸、息切れ、不安、寒気、妄想などの不可解な現象を体験すると伝えられている。

ホイアの森でツアーを開催しているアレックス・ダン氏はAP通信の取材に対し、「訪問者は超常現象を体験し、同時に神秘的な環境と一心同体になることができます」と語った。「以前、霊を祝うグループと出くわしたことがあります。彼らは別次元のエネルギーを得るために来たと言い、幽霊と交信していました...」

ルーマニアの観光地も他国と同じく、コロナの影響で閑散としており、ダン氏は訪問客が最も増えるハロウィーンに期待していると述べた。

ホイアの森の南東約150kmにはドラキュラ伝説に影響を与えたヴラド3世(通称ドラキュラ公)生誕の地として知られるシギショアラがある。

ヴラド3世は1450年代のオスマン帝国侵攻から地域を守ったと伝えられているが、極めてサディスティックな殺しを好み、捕虜を刺し、耐えがたい苦痛を与え死に追いやった。

ヴラド3世の身も凍るエピソードはドラキュラの作者であるブラム・ストーカーにインスピレーションを与えた。

ドラキュラ城として親しまれている「ブラン城」のウェブサイトによると、ドラキュラの初版で描かれている城はブラン城に非常によく似ているという。

ルーマニアのランドマークであるブラン城では、秘密の通路と中世の拷問器具を体験できる。政府は今年、ブラン城でコロナワクチン接種イベントを開催し、接種者は展示場を無料で見学できた。

ルーマニアの陽性者は先週のピークから少し減少したが、それでも直近1週間の症例数は1日あたり13,000件台を維持している。死亡者は1日あたり約440人。ルーマニアの人口は約1,900万人。

ルーマニアの医師会は今月初め、政府に「絶望の叫び」と題する公開書簡を送り、市民にワクチンを速やかに接種するよう強く促した。少なくとも1回接種した人は10月27日時点で人口の約35%、接種を終えた人は約30%にとどまっている。

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