◎8月23日、米食品医薬品局(FDA)はファイザーワクチンを認可した。アメリカで認可を受けたコロナワクチンはファイザーが初。
2021年3月2日/メイン州ポートランドのコロナワクチン接種センター、ファイザーワクチンを準備する医療関係者(Robert F. Bukaty/AP通信)

8月23日、米食品医薬品局(FDA)はファイザーワクチンを認可した。アメリカで認可を受けたコロナワクチンはファイザーが初。

FDAは昨年、ファイザーワクチンの緊急使用を許可した。接種回数は2回で推奨間隔は3週間。FDAは今回、16歳以上の接種を完全に承認した。12歳~15歳に関しては緊急使用を維持している。

FDAの認可を受け、国防総省は兵士にワクチン接種を義務付ける計画を発表した。また、ミネソタ大学やルイジアナ州の主要な公立大学も学生にワクチン接種を義務付ける必要があると述べたが、一部の州の州法はワクチン接種の義務化を禁じている。

ファイザーワクチンは主に先進国で使用されており、これまでに世界で数億回接種された。FDAは声明の中で、深刻な副作用が出ることは稀であり、緊急使用から認可にアップグレードすると述べた。報告書によると、FDAは被接種者約44,000人のデータを精査したという。接種完了後の保護率は約91%だった。

ジョー・バイデン大統領はFDAの認可を「ゴールデンスタンダード(黄金律)」と呼び、接種をためらっている人々にワクチンを接種するよう呼びかけた。

FDAのジャネット・ウッドコック長官代行は23日、ファイザーワクチンは高い安全性、有効性、製造品質基準を満たしており、初めて完全な認可を得たと述べた。

ファイザー社のアルバート・ブーラCEOはFDAを称賛し、認可を「ワクチンに対する懐疑的な考えや思いを解き放つ重要な第一歩」と呼んだ。

ファイザー社とドイツのバイオエヌテック社が共同開発したこのワクチンはComirnatyというブランド名で販売されている。

モデルナ社もFDAに認可を申請している。J&Jは今年後半までに申請する予定。ファイザー社は5月初旬に認可を申請し、4カ月以内に承認された。これはFDAの歴史上最速である。

マサチューセッツ州大学医学部のミレーヤ・ウェッソロスキー博士は、「ワクチンをまだ接種していない人の50%がFDAの完全承認を待っていた」と推測した。「認可の印が未接種者の心を動かすことを願っています...」

ソーシャルメディアにはFDAの認可を称賛する投稿が相次いで寄せられたが、これでワクチン接種がさらに進むと主張する人は少なかった。

ジョージア州の学生で未接種者のジェンソン・ブランド氏は、「被接種者に与える影響を数年間じっくり観察したいです」と語った。

カイザーファミリー財団が6月末に公表した世論調査によると、未接種者のアメリカ人の約30%が、FDAが認可すれば接種する可能性が高いと回答したという。アメリカのワクチン接種率は伸び悩んでおり、完全接種率は8月23日時点で人口の約51%、少なくとも1回接種した人は約61%。

バイデン大統領は演説の中で、FDAの認可を待っていた人々に強く呼びかけた。「あなたが待っていた瞬間が来ました。今日速やかに接種してください」

またバイデン大統領は民間企業やNGOに対し、ワクチンを接種していない職員や関係者に厳しい条件を課すよう求めた。国防総省は現役軍人130万人のワクチン義務化を発表しており、その他の民間企業もこれに続くと期待されている。

疾病予防管理センター(CDC)によると、米国内におけるファイザーワクチンの総接種回数は8月23日時点で約2.3億回、モデルナは1.7億回、J&Jは約2,100万回。ファイザーワクチン接種を終えた米国民は9,200万人以上。

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