◎上海市の保健当局は5日、新たに311人の有症状者と16,000人以上の無症状者を報告した。
2022年4月5日/中国、上海市の仮設PCR検査所(Hector Retamal/Getty Images/AFP通信)

上海市の住民の多くがオミクロン株の感染拡大とそれに伴う封鎖期間の延長にウンザリしている。

同市で生活する台湾人のビッキー氏はアルジャジーラの取材に対し、「感染拡大が始まって以来、様々な規制を目の当たりにした」と語った。

中国版ツイッターのWeiboにも様々なコメントが投稿されている。あるユーザーは、「友人が48時間オフィスに閉じ込められた」と投稿した。

当局は市内のオミクロン株感染者が急増したことを受け、約2,600万人に自宅に引きこもるよう命じている。

市民はPCR検査以外の理由で自宅から出ることを許可されず、食料と日用品は当局の配給に頼っている。

あるツイッターユーザーは、上海のアパートに住む住民が飼い犬をハーネスで窓から降ろし散歩させる動画を投稿した。

別のユーザーは、マンションの屋上で上海の春の日差しを浴びる外国人グループの映像を投稿した。

上海市の保健当局は5日、新たに311人の有症状者と16,000人以上の無症状者を報告した。

国営の新華社通信によると、中国政府は全国から38,000人の医療従事者を上海に派遣し、全住民を複数回PCR検査する準備を進めているという。軍の衛生兵2,000人も応援に駆けつけた。

上海は2段階に分けて封鎖を実施しているが、4月1日に解放される予定だった東部エリアの住民は自宅待機を維持するよう命じられ、西部エリア(4月1日~5日)の延長も決まった。

ビッキー氏を含む西部エリアの住民は何とか不満を抑えているが、3月28日から自宅に引きこもっている東部の住民はウンザリしている人が目立つ。

ビッキー氏はアルジャジーラに、「食料はあと3日分残っているが、甘かったと反省している」と語った。「監禁される前にインスタントラーメン、果物、缶詰、マルチビタミンなどを買い込みましたが、甘かったです...」

ビッキー氏は多くの台湾人女性と同じく、料理をほとんどしない。

ビッキー氏は、「最近町内会から届いた野菜をどう処理すればいいのか分からない」と語った。「キュウリを切ってサラダにすることはできるかもしれません。電子レンジで温めて温野菜にしてもいいかもしれませんね..」

しかし、高級住宅街の静安で生活する同氏は自宅で仕事ができる。

ビッキー氏は「私は恵まれていると思う」と語った。「より良い地域に住んでいれば、より良いコミュニケーション、より良いリソースを得ることができます。現に私は無料の野菜を手に入れました」

しかし、懸念が解消されたわけではない。

ビッキー氏はPCR検査で陽性を示した友人の愛犬モカを預かっている。マンションでペットを飼っている住民らは隔離施設に送られることになった場合、協力してペットを世話することに合意していた。

中国のインターネット上では、保健所の職員が陽性診断を受け施設に送られた患者のペットを殺したという噂が流れている。

2020年初頭の武漢パンデミックでは、飼い主が自宅に取り残されたペットを救助するために、当局の封鎖包囲網を潜り抜け隣人の部屋から自室に戻ったという噂もある。

ビッキー氏は「精神的に参っている」と述べた。「恐らく、他の上海市民の神経もすり減っていると思います...」

しかしベッキー氏は、自宅で食料の配給を待つ間もできる限りのことをすると語った。同氏によると、友人らとライブストリームチャンネルを開設し、不思議の国のアリスを読み合うなどの計画を立てているという。

本土および香港市内で陽性と診断された重症患者は医療機関、軽症と無症状患者は専用の隔離施設に収容され、自宅療養は認められていない。当局は先月、規則を一部緩和し、医療機関に入院する患者は原則重症患者のみになった。

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