◎コロナ変異ウイルス「オミクロン株」の重症化リスクはデルタ株より低く見える。
2021年10月3日/米ファイザー社の研究施設、コロナウイルス用の飲み薬「パクスロビド」のサンプル(Getty Images/AFP通信)

12月22日、イギリスと南アフリカの研究機関が公表した予備調査によると、コロナ変異ウイルス「オミクロン株」の重症化リスクはデルタ株より低く見えるという。

データはオミクロン株に感染し入院した人の数は他の変異株より低いことを示している。

しかし、世界の主要な科学者たちは仮に重症化リスクが低かったとしても、感染者が爆発的に増加すれば医療機関に大きな負荷がかかると警告した。

一方、米食品医薬品局(FDA)は22日、ファイザー社のコロナウイルス用飲み薬「パクスロビド(PAXLOVID)」の緊急使用を承認した。

ファイザー社が公表した臨床試験のデータによると、陽性を示した直後にパクスロビドと別の抗ウイルス薬を服用したグループと、プラセボ(ダミー薬)を服用したグループを比較した結果、入院率と死亡率は89%減少したという。試験に参加した患者は2,250人。

臨床試験に参加した科学者は両グループの患者約20%がほぼ同じ「弱い」副反応を示したと述べている。

両グループの被験者は発症から3日~5日の間にパクスロビドまたはプラセボを服用し、その後5日間服用を継続した。その結果、発症から3日目にパクスロビドを服用した被験者は5日目の被験者よりわずかに良い結果を示したため、ファイザー社は迅速な検査と早期治療が重要であると指摘した。

疾病予防管理センター(CDC)によると、全米の直近7日間の陽性者数は1日あたり約150,000件まで増加したという。一部の専門家もオミクロン株がさらに拡大すれば、昨年冬の感染爆発に匹敵する陽性者と死亡者を記録する可能性があると警告した。

イギリスの感染状況も深刻で、BBCニュースによると、過去24時間の新規陽性は初めて10万件を超えたという。

インペリアル・カレッジ・ロンドンのコロナ対応チームは22日、オミクロン株とデルタ株の入院リスクを比較したデータを公表した。それによると、オミクロン株に感染した患者の方が入院リスクが約20%、1泊以上入院するリスクは約40%デルタ株より低かったという。

南アフリカの研究機関もオミクロン株は他の変異株より重症化リスクが低い指摘している。

米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士も22日の記者会見でオミクロン株の重症化リスクは低く見えると指摘した。

しかし、ファウチ博士は仮に重症化リスクが低かったとしても、感染者が爆発的に増加すれば医療機関に大きな負担がかかると警告し、CDCと連邦政府が推奨する感染予防対策を徹底し、ブースターを取得するよう国民に呼びかけた。

オミクロン株は欧米を中心に猛烈な勢いで広がっている。

スペインのペドロ・サンチェス首相は22日、屋外でのマスク着用を義務化する計画を発表した。スペインの21日の陽性者は約50,000件。

独自路線を行くスウェーデンの1週間の陽性者は先週から約30%増加した。政府は22日の声明で、外国人旅行者に陰性証明の提示を求めると発表した。フィンランドも同様の措置を導入する予定。

フランス22日から5歳~11歳のワクチン接種を開始した。

ドイツ、オーストリア、ポルトガルもまもなく新しい制限を導入する。

一方、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は22日の記者会見で、先進国のブースタープログラムを批判した。「世界は最貧国のワクチンプログロムを後押しなければなりません。しかし、ワクチン接種率の高い国はブースターのためにワクチンを確保してます...」

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