◎重要な医療資源を保護するためには検査を簡素化し、医療従事者の負担を軽減させる必要がある。
2022年2月3日/韓国、ソウルの仮設検査場(Getty Images/AFP通信)

2月3日、韓国政府は旧正月の影響でコロナウイルスの新規陽性が急増したことなどを受け、迅速検査を中心とする新しい検査体制に移行した。

韓国疾病予防管理庁によると、2日の新規陽性は22,907件、直近1週間の平均は18,000件を超え、1月初めの6倍近くに達した。ただし、死亡者は昨年末からゆっくり減少しており、直近1週間は30人。

政府は首都ソウルやその他の主要都市に設置された仮設検査所での抗原迅速検査キットの使用を許可した。迅速検査で陽性と診断された人はPCR検査を受ける。

韓国の検査所と仮設検査所は最も正確なPCR検査を採用していたが、体制を維持するためには多数の保健所職員が必要で、サンプルを分析する専用機器の使用もネックになっていた。

3日から始まった新しい検査体制は迅速検査の使用可能範囲を拡大し、60代以上や持病のある人など、リスクの高いグループのPCR検査を速やかに行うことを目的としている。

一部の専門家は、迅速検査はオミクロン株を確実に検出できない可能性があり、偽陰性の人が増えると感染がさらに拡大すると懸念している。

しかし保健当局は、オミクロン株の感染スピードは極めて速く、重要な医療資源を保護するためには検査を簡素化し、医療従事者の負担を軽減させる必要があると述べ、新しい検査体制を擁護した。

また保健当局はコロナ飲み薬を含む家庭での治療法を拡大したうえで、陽性者と密に接触する家族や親族の自己隔離期間も短縮した。

一部の企業、学校、保育所などでは濃厚接触者に認定される人が急増し、サービスの維持が難しくなっている。

韓国疾病予防管理庁は2日の会合で、「オミクロン株はこれまでの変異株より早く広がっているが、重症化リスクはデルタ株に比べると明らかに低く、医療資源を保護するために検査体制を簡素化する必要がある」と述べた。

庁によると、最近の陽性者のうち、重症化リスクの高い60代以上の患者は全体の約8%ほどだという。

韓国のワクチン接種率は西側諸国の中で最も高く、人口の約86%が2回接種を終え、ブースター接種率は53%を超えた。

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