◎リオデジャネイロに本拠を置くFIOCRUZ研究所(オズワルドクルズ財団)は報告の中で、27州のうち25州の集中治療室(ICU)の占有率が80%を超えていると警告した。
2021年3月8日/ブラジル、リオデジャネイロの病院(ロイター通信)

報告によると、ブラジルの大都市の医療システムはコロナウイルス症例の急増で崩壊の危機に瀕しているという。

リオデジャネイロに本拠を置くFIOCRUZ研究所(オズワルドクルズ財団)は報告の中で、27州のうち25州の集中治療室(ICU)の占有率が80%を超えていると警告した。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、ブラジルの累計感染者数は3月9日時点で1,110万件、累計死亡者は26.6万人。3月9日の死亡者は過去最高を更新する1,972人だった。

FIOCRUZによると、最大の都市サンパウロ、リオデジャネイロ、首都ブラジリアのICU占有率は90%を超えているという。

また、南部ポルト・アレグレと中西部カンポ・グランデのICU占有率は100%を超えており、重症者の受け入れは困難な状況になっている。

FIOCRUZの研究者は報告書の中で次のように述べた。

「ブラジルの医療制度は負荷に耐えきれず、崩壊の危機にあります」

「医療の専門家たちは社会的距離の確保、マスクの着用、手洗いなどの感染予防対策の規則強化を呼びかけており、FIOCRUZの研究者もそれに同意します」

2021年2月23日/ブラジル、ブラジリアのプラナルト大統領宮殿、演説するジャイール・ボルソナロ大統領(AP通信/Eraldo Peres)

ブラジルの医療専門家は先週、地元メディアの取材に対し、「1日の死亡者数はまもなく2,000人を超えるだろう」と述べ、感染予防対策の重要性を訴えた。

「大量死を回避するためには、連邦政府主導の感染予防対策強化、ロックダウン、マスクの着用徹底、およびコロナワクチンの集団予防接種を推進する必要があります」

国内で1回目のコロナワクチン接種を受けた人は800万人(総人口の4%)を超えているが、専門家は1日あたりの接種数をさらに増やす必要があると強調した。

ブラジルの感染急拡大は、アマゾンの都市マナウスで発生したと考えられている感染力の強い変異種の蔓延が主な原因である。

しかし、ジャイール・ボルソナロ大統領はいまだにコロナウイルスを軽視し、ロックダウンより経済活動を優先させなければならないと繰り返し主張している。

ボルソナロ大統領は3月4日の演説で、「泣き言を言うな」と国民を厳しく叱りつけ、「死亡者の増加には後悔しているが、これ以上ロックダウンを我慢することはできない」と全国の州知事に経済活動を再開するよう訴えた。

反ボルソナロ派の州知事はコロナウイルスの感染拡大を防ぐために様々な検疫措置を講じているが、親ボルソナロ派の市民はこの措置に従わず、感染の抑え込みは困難な状況になっている。

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