パナマ共和国/国旗

目次

 基本情報

 政治

 渡航情報

 マスメディア

 軍隊

 歴史
  ・1700年代
  ・1800年代
  ・1900年~第一次世界大戦

  ・第一次世界大戦~第二次世界大戦
  ・終戦から現在

 文化

 スポーツ

 その他

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国名:パナマ共和国(Republic of Panama)

首都:パナマシティ(Panama City)

人口:3,894,082人(2021年推定)

面積:75,416㎢(北海道の0.9倍)

気候:熱帯気候
・乾期は12月~4月。
・雨季は5月~7月。
・カリブ海沿岸の年間降水量は1,500~3,500mm。
・太平洋地域の年間降雨量は1,100~2,300mm。
・最も寒い月でも平均気温が25℃を下回ることは滅多にない。
・カカオとバナナは暑い低地、コーヒーは標高700m以上で栽培されている。
・国立公園と保護区が国土の約6分の1を占めている。
・観光のベストシーズンは乾期。

経済:
・開発途上国
GDPは668ドル(2019年推定)
・主要産業はサービス業。GDPの80%以上を占めている。
・最大の貿易相手はアメリカ。
・軍事政権崩壊以来、GDPは成長し続けている。
・2007年の経済成長率はプラス11.5%、2008年はプラス9.2%だった。
・貧困ライン以下の生活を送っている市民は人口の22%。(2016年推定)
・主要農作物はバナナ、カカオ、コーヒー、ココナッツ、牛肉、鶏肉、エビ、トウモロコシなど。

人種:
・メスティーソ 65%(2010年推定)
・先住民族(パナマ人)12.3%
・黒人 9.2%
・ムラ―ト 6.8%
・白人 6.7%
・その他

言語:
・スペイン語(公用語)
・英語
・パナマスペイン語
・先住民族の言語

宗教:
・ローマカトリック 80.6%
・プロテスタント 10.4%
・無宗教 1.3%
・その他 7.7%

パナマ共和国

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大統領:ラウレンティノ・コルティソ(Laurentino Cortizo)

政治体制:共和制
・国家元首は大統領、任期は5年。
・大統領の任期は1期限り。ただし、5年開ければ再立候補可能。
・一院制。
・国民議会の議員定数は71人、任期は5年。
・選挙権は18歳以上。
・軍事独裁政権の崩壊以来、一部政治家の腐敗と闘い続けている。
・2021年2月時点の第一党は民主革命党。
・過去に単独過半数を獲得した政党はない。

法律:パナマ共和国の憲法
・司法の独立を保障している。
・軍事独裁政権の失敗を反映している。
・国民の権利を強く保障している。
・1983年の改正で司法と選挙法廷の独立性を強化した。
・   〃   大統領の任期を5年に短縮した。

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渡航情報:
外務省ホームページ
・渡航中止情報発令中(2021年2月時点)
コロナウイルス注意情報発令中(2021年2月時点)

治安:悪い
・近年、テロ事件は発生していない。
・麻薬組織が活発に活動している地域には近づかないこと。
・銃を使った犯罪(殺人、強盗、強姦など)が多数報告されている。
・高級腕時計や貴金属類は身につけない方がよい。
・凶悪犯罪組織「パンディージャス」の活動エリアには近づかないこと。
・流しのタクシーには乗らないこと。
・スリや置き引きに注意。
・銃が市場に出回っており、武装している市民も少なくないため、第三者を刺激する行動は厳禁。

パナマ共和国/ヤシの木

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・新聞社は7社。
・国営テレビ局は1社。
・民間テレビ局は14局。
・ラジオ局は24局。
・報道と言論の自由を保障している。
・主要メディア媒体はテレビ。
・インターネットの普及率は高い。
・検閲はない。
・アメリカのケーブルテレビも視聴可能。

【国営メディア/設立年】
・パナマテレビ 1961年

【民間メディア】
・RPC-TV
・パナマTVネットワーク
・テレメトロ
・FETV
・その他

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2021年軍事力ランキング:130位

・軍人数:35,000人(推定)
  即戦力 10,000人
  予備兵 0人
  準軍組織 25,000人

・陸軍と空軍を保有。

・国防予算:5億ドル(推定)

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1700年代

・1700年代、現在のパナマ共和国と周辺地域はスペインの植民地下に置かれていた。

・パナマはラテンアメリカ北部を管理するニューグラナダ王朝の領土の一部に組み込まれた。

・1700年代前半、パナマの経済は奴隷貿易などの恩恵を受け、繁栄した。一方、先住民族(ネイティブアメリカン)はスペインの統治に抵抗し続けていた。

・1744年、スペインの司教がサン・イグナチオ・デ・ロヨラ大学を設立。

・1700年代後半、航海技術が大きく進歩したことで太平洋に出るルートはホーン岬(チリの南端)周回ルートが一般的になり、カリブ海(パナマ沖)の重要性が薄れた。

・カリブ海は太平洋への最短ルートだったが、荷の積み下ろし、運搬、そして積み込み作業にかなりの労力がかかるため、敬遠されるようになった。

1800年代

・1819年、ニューグラナダ王朝がスペインから独立。

・1821年11月10日、パナマ南部アスエロ半島の先住民族がスペインから独立すると宣言。ニューグラナダ王朝はこれを歓迎しなかったが、パナマの市民は独立に向けた動きを加速させた。

・1821年11月28日、地域の統治者たちが集まり、パナマの独立を宣言する独立法を可決、「大コロンビア共和国」に加わった。

・1826年6月、アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、大コロンビア、チリ、メキシコなどの代表者が会談し、アメリカ大陸を守る連合の形成に合意。

・1830年9月、パナマ州が大コロンビアから離脱。パナマ軍のクーデターは成功したが、周辺州などから非難され、大コロンビアに再加入するよう促された。

・1841年3月、憲法改正。パナマ州は大コロンビアに再加入する法律を施行した。しかし、一連の混乱で同盟関係は不安定になり、先住民族を巻き込む小規模な争いが各地で続いた。

・1841年12月31日、パナマ州が大コロンビアに加入。

・1846年、アメリカとニューグラナダがマヤリノ=ビドラク条約を締結。アメリカはカリブ海を横断する権利、中米の中立性を確保するために軍事介入できる権利、ニューグラナダの主権を保証する権利を獲得した。

・1855年、世界初の大陸横断鉄、パナマ鉄道の一部区間が開通。なお、パナマ州はアメリカのゴールドラッシュの恩恵をほとんど受けなかった。

・1856年4月、パナマ州に入国したアメリカ人旅行者が先住民族にスイカの購入代金を支払わず足蹴にしたことで乱闘が発生。アメリカ人旅行者10数名と先住民族数名が死亡した。

・1856年9月、アメリカ政府はスイカ騒動に憤慨し、パナマ鉄道の駅を保護するという名目でパナマ州に軍隊を派遣した。

・1882年、パナマ運河の整備工事が始まる。

・パナマ運河の整備に従事した作業員は地滑り、不安定な地盤、感染症などに直面し、工事は困難を極めた。

・1889年、パナマ運河の整備工事を担当した企業が倒産。

・1894年、政府はパナマ運河に特化した新たな企業を設立し、工事を再開した。

・1800年代中頃から後半、パナマ州は大コロンビアから正式に脱退する試みを80回以上繰り返し、先住民族もこの試みを支持したが、うまくいかなかった。

1900年~第一次世界大戦

・パナマ(州)は第一次世界大戦に関わっていない。

・1902年11月、大コロンビアの内戦(千日戦争)が終結。パナマ州の自由主義者たちは完全な独立を求め、ゲリラ活動を行った。

・アメリカはパナマ運河の重要性を大コロンビアに訴え、独立を認めるよう圧力をかけた。

・1903年11月3日、「パナマ共和国」が独立を宣言。大コロンビアは兵士をパナマシティに送り込もうとしたが、アメリカに阻止された。

・1903年11月13日、アメリカがパナマ共和国の独立を公式に承認。

・1903年11月18日、アメリカとパナマがヘイ・ブナウ・バリラ条約に調印。パナマはパナマ運河関連の工事をアメリカ主体で行うことに合意した。

・1904年~1914年、米陸軍工兵隊がパナマ運河建設工事を主導した。

・1914年、パナマ運河開通。

パナマ共和国/パナマ運河

第一次世界大戦~第二次世界大戦

・パナマ共和国は第二次世界大戦に関与していない。

・1921年12月21日、コロンビアがパナマの独立を公式に認める。

・パナマ政府はアメリカスタイルの民主主義で経済発展を目指したが、商業を優先する政策は軍の反感を買った。

終戦~現在

・1945年11月13日、国連に加盟。

・1950年代、クーデター未遂事件が複数回発生したが、鎮圧された。

・1964年1月9日、パナマ運河の主権をめぐる暴動が発生。パナマの学生と警察の衝突に米軍が介入し、市民22人と米兵4人が死亡した。

・1968年10月、大統領選挙。アルヌルフォ・アリアスが3度目の当選を果たす。しかし、当選から10日後の軍事クーデターでアリアス大統領は追放され、オマル・トリホス将軍が大統領に就任した。

・トリホス大統領は各地に学校を建設し、雇用の創出を促し、農地を再分配することで市民の支持を得た。

・1974年2月、石油輸出国機構(OPEC)スタイルの輸出組織、「バナナ輸出国機構」を中央アメリカ諸国と結成しようとしたが、支持は得られなかった。

・1977年9月7日、トリホス・カーター条約(パナマ運河の恒久的中立性と運用に関する条約)締結。これにより、アメリカは1999年までにパナマ国内の14の米軍基地を撤退させ、パナマ運河の権利を完全に移譲することに合意した。

・1981年8月1日、トリホス大統領が飛行機事故で死亡。

・1983年の憲法改正で軍は政治への関与を禁じられたが、パナマ国防軍(PDF)のマヌエル・ノリエガ将軍は軍と政府を支配し、民主的な選挙を求める野党を打ち負かした。

・1980年代、アメリカとパナマの関係は一気に悪化した。

・1987年、ロナルド・レーガン大統領がパナマへの経済および軍事援助を停止

・1988年4月、レーガン大統領が国際緊急経済権限を発動。これにより、アメリカ国内のパナマ政府関係者の資産は凍結された。さらに、ノリエガ政権への支払い(パナマ運河の通行料、民間企業、個人、政府の輸出など)は全て禁止され、パナマは大混乱に陥った。

・1989年5月、大統領選挙。ギジェルモ・エンダラがノリエガ大統領に圧勝したが、ノリエガ政権は選挙結果を却下した。しかし、外国のオブザーバーはエンダラの勝利を証明し、新大統領に就任するよう促した。

・1989年6月、アメリカがパナマ運河の周辺基地に兵士を数千人派遣、ノリエガ大統領に圧力をかけた。

・1989年12月20日、米軍がパナマへの侵攻を開始。(ジャスト・コーズ・オペレーション)

・1989年12月20日、5月の大統領選挙で勝利したギジェルモ・エンダラが大統領に就任。

・1989年12月27日、パナマ侵攻作戦完了。米軍は撤退を開始した。

・ノリエガは麻薬密売の罪で懲役40年の実刑判決を受け、現在も刑務所暮らしを続けている。

<パナマ侵攻>
両軍参加者:約47,000人
両軍負傷者:数千人(米軍は約325人)
両軍死亡者:数百人(米軍は23人)
民間人犠牲者:200~3,000人(推定)

・1990年初頭、ジョージ・HW・ブッシュ大統領がパナマに10億ドルを援助すると発表。

・エンダラ大統領は文民統制を確立し、民主制度の強化を誓約した。しかし、巧妙化する麻薬関連の犯罪を取り締まることに苦労し、支持率は急落した。

・エンダラ政権の支持率は汚職スキャンダルでさらに急落し、市民は無能な政府に困惑した。

・1994年9月、大統領選挙。エルネスト・ペレス・バラダレスが勝利。

・バラダレス大統領は経済改革に主眼を置き、アメリカとの関係強化を推し進めた。

・1999年9月、ミレヤ・モスコソが初の女性大統領に就任。5月の大統領選挙は国際社会から公正であると見なされた。

・モスコソ政権は子供と若者の発達、保護、そして福祉のための社会プログラムを強化した。また、二国間および多国間自由貿易協定に焦点を当て、パナマ運河を上手く管理し、経済を確実に成長させた。

・2004年、マルティン・トリホスが大統領に就任。トリホス政権は政治家の汚職を根絶するキャンペーンを実施し、政治の透明性を高める法律をいくつか可決した

・2005年、全国腐敗防止評議会結成。メンバーは政府関係者、市民の代表、労働組合代表、宗教指導者で構成された。

・2009年、大統領選挙。保守派のリカルド・マルティネッリが左派を圧倒した。

・2014年、フアン・カルロス・ヴァレラが大統領に就任。

・2019年、ウレンティノ・コルティソが大統領に就任。

パナマ共和国/首都パナマシティ

文化(目次に戻る

・スペインと先住民族とアフリカの文化が入り混じっている。

・若者はアメリカの文化を崇拝している。

・パナマ料理は先住民族、スペイン、アフリカの料理を組み合わせたハイブリット料理。

・パナマ人は辛い料理をあまり好まない。

・主食は米、小麦、キャッサバ。主菜はバナナ、トウモロコシ、肉全般。

・先住民族の芸能(祭りや踊りなど)を大切にしている。

パナマ共和国/カリブ海

スポーツ(目次に戻る

・一番人気は野球(国技)。

・その他の人気スポーツはボクシング、バスケットボール、ゴルフ、テニス、サッカーなど。

・オリンピックでの獲得メダル数は3個(金:1個、銅:2個)

【有名スポーツ選手】

・ロッド・カルー(Rod Carew)MLB選手。3,000本安打を達成。1991年殿堂入り。

・マリアノ・リベラ(Mariano Rivera)MLB選手。652セーブは歴代最多。2019年に史上初の満票で殿堂入り。

・イルビング・サラディノ(Irving Saladino)走り幅跳び選手。パナマ初のオリンピック金メダリスト。

その他(目次に戻る

・1989年の軍事政権崩壊以来、経済はジワジワと成長し続けている。

アメリカとの関係を強化することで経済は安定し、2017年に高所得経済国に仲間入りした

パナマ共和国/果物店
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