IOCはプランBを準備している

 東京オリンピンクの開幕まであと5か月。世界最大規模を誇るスポーツの祭典は、コロナウイルスの世界的流行により窮地に追い詰められている。過去、「平時」にオリンピックが延期、中止されたことはない。IOCと日本政府、WHOは非常に難しい判断を迫られるだろう。

 日本国内におけるコロナウイルスの感染者数および死者数は、イタリアや韓国、イランなどに比べると少ないし伸び率も明らかに鈍い。一定レベルの検疫体制が確立され、かつ、イベントや大会等の自粛、臨時休校の効果で感染者数の抑制には成功しつつあるようだ。

 本番を想定して行うはずだったオリンピックに関連するテストイベント等も中止せざるを得なくなり、大会関係者は頭を抱えているという。また、聖火リレーも規模を縮小し実施することになったが、コロナウイルスの感染状況次第で予定が変更される可能性もあり得る。最悪の状況を想定しつつも、日本政府およびJOCは「開催を前提」に準備を進めると明言した

 IOCのトーマス・バッハ会長は、東京オリンピックの延期、中止を強く否定、同じくIPC(国際パラリンピック委員会)も開催に向けて準備を進めるだけと主張した。ただし、「プランB」を考えていない訳ではなく、最悪の事態を想定して一定レベルの「調整」を行っていることは確かだろう

 仮に日本がコロナウイルスの封じ込めに成功したとしても、他国/世界での流行が収まらなければ、東京オリンピックの開催はままならない。IOCは「デッドライン」について明言しておらず、あくまで開催を前提に淡々と準備を進めるだけと強調している。

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