◎アルカイダとつながりのあるイスラム過激派組織アル・シャバブが犯行声明を発表した。
2022年1月16日/ソマリア、首都モガディシュ(Farah Abdi Warsameh/AP通信)

1月16日、ソマリア現地メディアによると、政府の報道官であるモハメド・イブラヒム・モアリムウ氏が首都モガディシュで爆弾テロに巻き込まれ負傷したという。

事件後、アルカイダとつながりのあるイスラム過激派組織アル・シャバブが犯行声明を発表した。

モハメド・フセイン・ローブル首相は16日の声明で、モアリムウ報道官の容態は安定していると明らかにした。

ソマリアでは国政選挙の延期と権力争いの影響で緊張が高まっており、各地で爆弾テロが相次いでいる。モハメド・アブドゥライ・モハメド大統領の派閥とローブル首相の派閥は、安全保障の権限の取り扱いなどで激しく対立している。

モアリムウ報道官は英BBCニュースの元特派員で、ソマリアジャーナリスト連盟の事務局長を務めていた。BBCによると、同氏はこれまでに少なくとも5回爆弾テロに巻き込まれたという。

16日のテロを目撃した市民は地元メディアに、「爆弾は特定の個人を狙っていたように見える」と語った。

アル・シャバブは12日にも国際空港の近くで自動車爆弾を爆発させ、軍の兵士5人を含む少なくとも8人を殺害した。

アル・シャバブは2011年の紛争でアフリカ連合軍に敗れるまで首都モガディシュを実効支配していた。モガディシュを失ったアル・シャバブは拠点を地方都市に移し、政府と民間人への攻撃を繰り返している。

ソマリア人の大半はスーフィー教徒だが、アル・シャバブはスンニ派に属するワッハーブを提唱しており、西側諸国寄りの宗派を敵視している。地元メディアによると、アル・シャバブはイスラム法に反する女性を石打の刑で殺し、泥棒の手を切り落とす過激なイスラム法で地方都市の住民を支配しているという。

ソマリアで活動するジャーナリストは先週、BBCアフリカのインタビューの中で、「政府の混乱は収束しつつあるように見える」と語った。「ローブル首相と地域の指導者たちは、今年の2月中に国政選挙を行うことに合意したようです...」

モハメド大統領は昨年末、ローブル首相から国政選挙を主導する権限を剥奪し、新たな選挙管理委員会を立ち上げ、両者の対立は激化した。

権限剥奪後、モハメド大統領はローブル首相が国防省や警察当局の捜査に介入した疑いがあると告発し、首相権限を停止した。この決定にローブル首相は猛反発し、首相官邸に自分の派閥の治安部隊を配備した。

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