◎ベオグラードに集まった数百人の抗議者たちは、「私有財産の収用」と国民投票に関する法律を廃止しなければ抗議を加速させると誓った。
11月27日、セルビアの首都ベオグラードで反政府デモ隊が主要な高速道路と橋を封鎖し、警察と衝突した。
現地メディアによると、道路封鎖抗議はベオグラード以外の都市でも確認されたという。ベオグラードに集まった数百人の抗議者たちは、「私有財産の収用」と国民投票に関する法律を廃止しなければ抗議を加速させると誓った。
デモ隊と警察官は1時間近くにらみ合い、小競り合いに発展した。警察は先日の声明で「道路と橋の占領は違法であり、デモに参加した者は厳しく罰せられる」と警告していた。
多くの環境保護団体、気候活動家、市民社会グループは、公益と見なされた場合の私有財産の収用を迅速に行えるようにした新しい法律と、国民投票の権限の引き下げに腹を立てている。
ある気候活動家は、「政府は西部のリチウム鉱山開発プロジェクトに関する用地交渉を速やかに進めるために法律を施行した」と主張した。
政府は団体や活動家の要求を却下し、新しい収用法はインフラプロジェクトに必要不可欠と主張している。極右のアレクサンダル・ヴチッチ大統領は先日、リチウム鉱山開発プロジェクトを加速させると誓った。
セルビアは深刻な水質汚染、大気汚染、産業廃棄物の不適切な処理に伴う公害に悩まれており、環境保護を蔑ろにする極右政党への非難は日増しに高まっている。ある環境専門家は、リチウム鉱山は農地を破壊し、水源をさらに汚染すると警告した。
ベオグラードのデモ隊は「セルビアを諦めない!」と唱え、高速道路と橋を完全に封鎖した。現地メディアによると、デモ隊は救急車の通過のみ認め、その他の車両の行く手を阻んだという。
一方、ヴチッチ大統領のセルビア進歩党はこの日、首都で数千人規模の党大会を開催し、リベラル派と環境保護団体を非難した。ある右翼活動家はリチウム鉱山の開発を含む経済活動を優先するようヴチッチ大統領に訴え、気候活動家を「左翼ゲリラ」と呼び喝采を浴びた。
セルビアはEU加盟を求めているが、2017年3月に就任したヴチッチ大統領はEUの外交政策を「時代遅れ」と却下し、代わりにバルカン諸国、中国、そしてロシアとの同盟関係を強化した。