◎救助隊は坑内のメタンガス濃度が危険なレベルに達したため、坑内に取り残された38人の捜索を中止した。
11月25日、ロシアのシベリア連邦管区ケメロヴォ州の炭鉱内で爆発が発生し、少なくとも52人が死亡した。
国営のイタルタス通信によると、事故はケメロヴォ州にあるリストヴャズナヤ鉱山の地下約250mで発生したという。通信社は緊急事態省の声明を引用し、「救助隊は11人の遺体を回収し、239人を救助したが、坑内に取り残された38人の捜索を中止した」と報じた。
救助された239人のうち4人は重篤な状態と伝えられている。
また、爆発後に炭鉱内に入った救助者3人の死亡も確認され、公式の死亡者数は14人に増加した。
インテルファクス通信はケメロヴォ州の行政当局者のコメントを引用し、「坑内に取り残された38人の生存は絶望的」と報じた。また行政当局者は、「坑内のメタンガス濃度は危険なレベルに達し、救助活動を中断せざるを得なかった」と述べ、「38人は一酸化炭素中毒で死亡した」と断言した。
ロイター通信によると、当局は鉱山長を含む責任者3人を安全管理不備で拘束したという。
シベリア連邦管区の副検事総長は記者団に、「採掘中に炭層から放出されたメタンガスが爆発した可能性が高い」と述べた。
ケメロヴォ州の鉱山ではメタンガスの爆発事故が複数報告されている。
2004年にリストヴャズナヤ鉱山で発生した爆発事故では、13人が死亡した。
2007年に同州のウリヤノフスカヤ鉱山で発生したメタンガスの爆発事故では110人が死亡した。
2010年に同州のラスパドスカヤ鉱山で発生したメタンガスの爆発と火災では、坑内で作業を行っていた91人が死亡した。
ロシアの最北端に位置する炭鉱で2016年に発生した爆発事故では、少なくとも36人が死亡した。この事故後、当局は国内で稼働している58の石炭採掘場の安全性をチェックし、20を危険な炭鉱と宣言した。イタルタス通信によると、リストヴャズナヤ鉱山は危険リストに含まれていなかったという。
ウラジーミル・プーチン大統領は犠牲者とその家族に哀悼の意を表し、負傷者に必要な支援を提供するよう当局に命じた。