◎事件は7月5日の午前2時頃に発生した。
2021年2月/ナイジェリアの学生(AP通信)

ナイジェリア現地メディアによると、北部カドゥナ州の町ダミンにあるベテルバプテスト高校に武装した盗賊が押し入り、学生100人以上を誘拐したという。

警察のスポークスマン、モハメッド・ジャリエ氏は記者団に対し、「盗賊は7月5日の午前2時頃に寄宿学校を襲撃し、生徒を誘拐する際、散発的に発砲した」と述べた。拘束された生徒の数は調査中。

現地の住民で息子を同校に預けているというジョン・ハヤブ氏はAP通信の取材に対し、「生徒の数は約180人で、息子はかろうじて誘拐を免れた」と述べた。「盗賊たちは多くの生徒を連れて行きました。息子はかろうじて逃げ出した生徒のひとりでした...」

英BBCニュースの取材に応じた15歳の少女の母親は、「バイクに乗った武装集団が学校に押し入り、少なくとも140人を誘拐したと聞きました」と語った。

警察は声明の中で女性教師を含む計26人が救助されたと述べた。一方、地元のキリスト教指導者はBBCに対し、「約180人のうち無事を確認できたのは20人だけと聞いたが、途中で逃走を試みた学生がいるかもしれない」と述べた。

4日には同州ザリアの国立結核・ハンセン病センターに武装集団が押し入り、少なくとも14人を誘拐した。病院の関係者によると、看護師2人と子供12人が連れ去られたという。

警察は、「ザリアの誘拐に関与した武装集団は地元の犯罪グループの構成員と考えられており、警備にあたっていた警察官に発砲した」と述べた。武装集団と警察の銃撃戦が始まると、別の犯罪グループが病院に侵入し、14人を拘束したと伝えられている。

ザリアの地元住民はAFP通信の取材に対し、「最初の武装集団は警察の気をそらし、別の犯罪グループがそのスキをついて14人を誘拐した」と述べた。銃撃戦で死傷者が出たかどうかは明らかにされていない。

政府は5日、現地に軍を派遣し、救出作戦を開始すると述べた。

ナイジェリアの誘拐事情に詳しい専門家によると、誘拐の目的はほぼ身代金だという。地域で主に活動している誘拐犯、武装強盗、牛泥棒、その他の武装民兵たちは、誘拐を最も効率的で簡単な資金調達方法と考えている。

北東部ボルノ州で2014年に発生した中等学校誘拐事件は世界に衝撃を与えた。イスラム過激派組織ボコハラムは女子生徒276人を誘拐し、その多くが行方不明のままである。

地元メディアによると、カドゥナ州では過去半年の間に4回誘拐事件が発生したという。

全国では昨年12月以来、1,000人以上の学生が誘拐され、そのうち9人が死亡し、200人以上が行方不明のままで、最年少の被害者は3歳と伝えられている。

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