目次
歴史
▽ドンバス戦争(2014年)
▽ドンバス戦争(2015年~2020年)
▽ドンバス戦争(2021年~2022年)
▽ロシア・ウクライナ戦争(2022年~現在)
基本情報(目次に戻る
国名:ルガンスク人民共和国(Luhansk People's Republic)
首都:ルハンシク(Luhansk)
人口:1,464,039人(推定)
面積:8,337㎢(兵庫県とほぼ同じ)
気候:大陸性気候
▽夏はやや暖かく、冬は凍てつく寒さ。
▽年間降水量は500~600mm。
▽雨季(夏)は5月~8月。
▽乾期(冬)は11月~3月。
▽夏場の平均気温は最低が10~16℃、最高は23~29℃。
▽冬場の平均気温は最低がマイナス8~マイナス1℃、最高はマイナス1~0℃。
▽観光におすすめの時期は6月~8月。
経済:
▽開発途上国
▽GDPは不明。
▽主要産業は製造業とサービス業。
▽主要輸出パートナーはウクライナ(40%)、ロシア(40%)、ドネツク(20%)
▽主要輸入パートナーはウクライナ(40%)、ロシア(40%)、ドネツク(20%)
▽主要輸出品は石炭、工業用機械、金属など。
▽ロシアの支援に大きく依存している。
▽ロシアは国内のゲリラ組織に軍事援助を提供しており、西側諸国から非難されている。
▽生活必需品は主にウクライナから輸入されている。
▽ウクライナはルガンシク人民共和国の管理下に置かれている高齢者への年金の支払いを停止している。
人種:
▽ウクライナ人 58%(CIAワールドファクトブック推定)
▽ロシア人 39.1%
▽ベラルーシ人 0.8%
▽その他 1.4%
言語:
▽ウクライナ語 68.8%(2001年国勢調査)
▽ロシア語 30%(公用語)
▽その他 1.2%
宗教:
▽東方正教会 71%(2015年推定)
▽カトリック 0.5%
▽プロテスタント 0.5%
▽その他のキリスト教 8%
▽無宗教 18%
▽不明 2%
ルハンシク州(ウクライナ)
政治(目次に戻る
自称大統領:レオニード・パーセチンク(Leonid Pasechnik)
自称首相:セルゲイ・コズロフ(Sergey Kozlov)
政治体制:自称共和制
▽国連非加盟国。
▽2014年のロシアのクリミア併合後、独立を宣言した。
▽独立を認めている国家は国連非加盟国のドネツク人民共和国と南オセチア共和国のみ。
▽国家元首は分離主義ゲリラ部隊の長、任期は5年、1回再選可能。
▽国家元首は直接選挙で選出されると信じられているが、票集計はゲリラ部隊の指揮下で行われており、好きなように操作できる。
▽一院制、議員定数は50人、任期は5年。
▽EUはルガンスク人民共和国の選挙を認識しており、制裁は科していない。
▽ウクライナはルガンスクの選挙を認めていない。
▽議員は直接選挙で選出されると信じられているが、票集計はゲリラ部隊の長の指揮下で行われており、好きなように操作できる。
▽分離主義勢力は2014年にルハンシク州政府を打倒し、地域の50%以上を占領した。
▽ロシアはルガンスクの独立を事実上認めていたが、2022年2月21日に公式に承認した。
法律:ルガンスク人民共和国暫定憲法
▽基本的人権を保障しているが、政府に反抗的な市民はゲリラ部隊の嫌がらせに直面する。
▽信教の自由を保障しているが、イスラム教やヒンドゥー教などを差別する傾向が見られる。
▽ゲリラ部隊は暫定政府に反抗する民間人を恣意(しい)的に逮捕する可能性がある。
▽ゲリラ部隊は強制労働、性的暴行、虐待、破壊、違法な押収を含む深刻な人権侵害を全国各地で継続していると伝えられている。
▽司法の独立を保障しているが、裁判長はゲリラ部隊の指揮下に置かれており、公正な裁判は期待できない。
▽LGBTQの権利を認めていない。
渡航情報(目次に戻る
渡航情報:
▽外務省ホームページ
▽渡航中止勧告発令中(2022年2月時点)
▽コロナウイルス注意情報発令中(2022年2月時点)
治安:極めて悪い
▽近年、自爆テロや大量殺人などの凶悪事件は発生していない。
▽イスラムジハード組織の活動は報告されていない。
▽ドンバス戦争は停戦状態を維持しているが、いつ悪化するか分からない。
▽自称政府および国軍はウクライナ政府と対立している。
▽ロシア軍の支配下に置かれている。
▽高級腕時計や貴金属類は身につけない方がよい。
▽流しのタクシーには乗車しない方がよい。
▽ウクライナはルガンスク人民共和国政府をテロ組織に指定している。
▽治安は比較的安定していると伝えられているが、入国はおすすめしない。
マスメディア(目次に戻る
▽新聞社は数社活動していると伝えられている。
▽国営テレビ局はない。
▽民間テレビ局は数局活動していると伝えられている。
▽国営ラジオ局はない。
▽民間ラジオ局は数局活動していると伝えられている。
▽報道と言論の自由を保障しているが、暫定政府に批判的なジャーナリストは逮捕される可能性がある。
▽主要メディア媒体はテレビ。
▽インターネットの普及率は60~70%。
▽ウクライナのテレビを受信できる。
▽検閲はないと伝えられている。
【国営メディア/設立年】
・ー
【民間メディア】
・ー
軍隊(目次に戻る
2022年軍事力ランキング:ー位
▽軍人数:42,500人(推定)
即戦力 38,000人
予備兵 0人
準軍組織 4,500人
▽ロシア軍人数:1,350,000人(推定)
即戦力 850,000人
予備兵 250,000人
準軍組織 250,000人
▽ルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国の分離主義者で構成されている。
▽ロシア軍の指揮下に置かれている。
▽国防予算:不明
歴史(目次に戻る
ドンバス戦争(2014年)
<3月1日>
▽ウクライナ東部ルハンシク州の評議会は、「ロシア語を第2公用語にすること」「市民に対する暴力を停止すること」「都市マイダンの部隊を武装解除すること」「政治組織の設立を禁止すること」などを含めた法案を可決した。
▽法案の可決に伴い、親ロシアのデモ参加者を支援するために、ロシアの市民がバスで国境を越えてウクライナに入ったという報告があった。
<3月2日>
▽都市ザポリージャでは、5,000人以上のロシア市民と親ロシアの団体が抗議デモを行い、一部の暴徒が州の建物を占拠し、その上にロシアの国旗を掲げた。
<3月3日>
▽2,000人以上の抗議者がドネツク州の行政ビルに集まり、警察のバリケードを突破し、施設を占領した。
▽ウクライナ政府の反ロシア政策に反対する200~500人の抗議者は首都キエフにあるオデッサ地方国家管理局の建物を占拠した。
<3月4日>
▽親ロシアの分離主義者は、ドネツク地方の行政を支配したと宣言し、武装体制を強化した。
▽ドネツクの各地で平和とウクライナの統一を呼びかける数千人規模の抗議集会が開催されたが、分離主義者は要求を全て却下した。
<3月5日>
▽ウクライナの警察と治安部隊は分離主義者から行政施設を一時的に奪還したが、親ロシアの抗議者たちは施設を再占領することに成功した。
<3月6日>
▽ウクライナ保安庁 (SBU)は夜明け前に奇襲作戦を決行し、行政施設を奪取したうえで、親ロシア派の抗議指導者パベル・グバレフを逮捕した。
<3月9日>
▽抗議者たちは再びルハンシクの市庁舎を襲撃し、ウクライナの国旗を燃やし、ロシアの国旗を掲げ、当局に統一ロシアの可否を問う国民投票を行うよう求めた。
<3月10日>
▽ウクライナのアルセニー・ヤツェニュク首相は声明で、「政府はドネツク地域の主権を維持し、ルハンシクの平和を取り戻した」と述べた。同日、ロシア国防省の諜報機関GRUの諜報員が分離主義者を扇動した容疑で逮捕された。
<3月11日>
▽ウクライナの警察はルハンシクの市庁舎を解放したうえで、親ロシア運動の指導者と地方議員のアルセン・クリンチャエフを逮捕した
<3月13日>
▽ドネツク地域の抗議活動に参加していたウクライナ支持者が刺殺され、各地で親ロシア派と親ウクライナ派の抗議者が衝突した。
<3月14日>
▽SBUはルハンシク州の自称知事、アレクサンダー・ハリトーノフを拘留した。
<3月15日>
▽ウクライナの民族主義者が親ロシアのデモ参加者1人と通行人1人を銃撃し殺害した。
<3月17日>
▽親ロシアの団体のリーダーが、ウクライナの領土を侵略したとして「反逆罪」で逮捕された。この時ウクライナ軍は、ロシアとの国境の町に駐留し、親ロシアの抗議者を威嚇していた。
<3月18日>
▽ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はテレビ演説の中で、「ロシアを支持する人々はあなたを怖がらせる警察や軍を使用しないでください」と述べた。「私たちに民主的な国民を分裂したウクライナ政府は必要ありません。私たちは平和を望んでいます...」
<3月20日>
▽ルハンシクの公的機関は国民投票の実施を条件とする地域評議会の設立を支持した。
<3月22日>
▽ドネツク地域では、推定2,000人の抗議者が親ロシアの集会を開催し、ドンバスにより大きな自治権を与える国民投票を要求した。
▽ルハンシクに集まった推定1,000人の抗議者は一連の抗議で逮捕された指導者の解放を呼びかけた。
<3月23日>
▽都市オデッサでは、3,000~4,000人規模の「ファシスト」集会が開催され、ロシアのネオナチの構成員も参加した。
<3月25日>
▽ウクライナのキエフ地区行政裁判所は、ロシアのテレビチャンネルの放送を中断するよう関係各局に命じた。
▽都市ハリコフに集まった2,000人以上のウクライナ人が反ロシアの抗議活動を行った。抗議者たちはクリミアを含む、統一ウクライナを目指すと主張した。
<3月28日>
▽ウクライナ政府、親ロシア派の抗議行動は大幅に減少したと発表した。
<3月30日>
▽ドネツク地域で再び親ロシアの支持者が抗議活動を開始した。一部の抗議者はウクライナの正当な大統領は分離主義者のヴィクトル・ヤヌコヴィッチと主張し、横断幕を掲げて抗議した。
▽ルハンシクでは約500人の親ロシア抗議者が集会を開催し、ロシア軍による地域の完全占領と新国家の設立を求めた。
<3月31日>
▽一部の親ロシアメディアは、ドネツク地方議会が「国内の状況を安定させる」ための措置を講じ、広範な議論の後に国民投票に関する法律を採択するようウクライナ議会に正式に要求したと報じたが、ドネツク地方議会は誤りと主張した。
<4月7日>
▽親ロシアの活動家グループがドネツクとルハンシクのSBUオフィスを襲撃した。
<4月8日>
▽SBUのオフィスと建物を占拠した分離主義者たちは「ルガンスク議会共和国」の設立を宣言したうえで、建物に爆弾や地雷を仕掛け、当局の関係者60人を人質にした。
<4月12日>
▽ロシアの軍事諜報機関GRUの元大佐を含む武装グループがドネツクの行政施設や警察署を襲撃した。武装グループはロシア、クリミア、ウクライナの民兵および元軍人で構成されていた。
<4月15日>
▽ウクライナのオレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行は、親ロシア派に対する「反テロ作戦」を開始すると発表した。
<4月16日>
▽ドネツク地域のクラマトルスク近くに設置された武装グループの検問所で戦闘が発生し、ウクライナ軍のBMD-2装甲車6台が破壊された。
<4月21日>
▽ルハンシクの分離主義者はウクライナからの独立を問う国民投票を5月11日に実施すると発表した。
<4月25日>
▽武装グループがクラマトルスク空港を襲撃し、ウクライナのMi-8ヘリコプター、An-2飛行機2機、管制塔を破壊した。
<4月27日>
◎「ルガンスク人民共和国」が独立を宣言。ウクライナと国際社会はこれを却下した。
<5月2日>
▽ウクライナ軍はドネツクの都市スラビャンスクを奪還する軍事作戦を開始した。
<5月5日>
▽ウクライナ軍のMi-24ヘリコプターが武装グループに撃墜される。
<5月7日>
▽武装グループはウクライナ軍の撤退を見計らい、マリウポリ市庁舎を再び占拠した。その後、ウクライナ軍は武装グループに攻撃を仕掛け、少なくとも5人を殺害したと伝えられている。
<5月9日>
▽武装グループがマリウポリの警察署に攻撃を仕掛け、ウクライナ軍と衝突した。この日の衝突で警察署は崩壊し、過激派20人が死亡した。
<5月10日>
▽ウクライナの国防省はマリウポリの戦闘中に中佐と砲兵1名が死亡したと発表した。
<5月11日>
▽ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国で独立の是非を問う国民投票が行われ、両国の有権者は賛成多数で独立を支持した。
<5月22日>
▽武装グループはウクライナ軍を検問所で迎え打ち、少なくとも16人を殺害した。
<5月26日>
▽ドネツク空港で激しい戦闘が発生した。ルガンスクとドネツクの武装グループはウクライナ軍の空襲部隊を迎え打ち、数十人を殺害したと伝えられている。
<5月29日>
▽ウクライナ軍のヘリコプターが撃墜され、14人が死亡した。
<5月30日>
▽ウクライナ国境警備局は、国境の町スタニツィアでロシアの分離主義グループと思われる部隊が国境を突破したと発表した。
<6月2日>
▽ルガンスク軍はウクライナ国境警備隊の司令部に対する大規模な攻撃を開始した。一連の攻撃で政府軍の兵士5人が死亡したと伝えられている。
<6月6日>
▽親ロシアの民兵がウクライナの偵察機を撃墜、乗組員5人が死亡し、2人が行方不明に。
<6月14日>
▽ウクライナの輸送機がルハンシクの空港近くで撃墜され、搭乗員9人と兵士40人が死亡した。
<6月21日>
▽親ロシアの民兵はドネツクとルハンシクの国境近くに設置されたウクライナ軍基地を襲撃し、兵士約80人を無力化したうえで、基地から追放した。
<6月26日>
▽親ロシアの戦車8両と迫撃砲などで構成される装甲部隊がクラマトルスク近くにあるウクライナの検問所を爆破し、ウクライナ軍兵士4人が死亡した。
<6月27日>
▽国連の難民機関は、ウクライナ国民11万人以上が隣国ロシアに逃れ、数万人が国内避難民になったと発表した。
<6月29日>
▽新ロシア軍の装甲部隊が国境近くのカラチュン山でウクライナ軍との戦闘を開始した。
<7月3日>
▽ウクライナ軍がノボシャチンクスにあるロシアの国境検問所を破壊した。
<7月4日>
▽ウクライナ大隊「ドネツク」の構成員が親ロシアに占領されたアルテミフスクの地方検察庁を襲撃し、戦闘が発生した。その日の午後、地方検察庁は戦闘に介入したウクライナ軍の支配下に置かれた。
<7月5日>
▽親ロシア軍はスラビャンスクの町を放棄し、ドネツクに向かって後退した。
<7月9日>
▽親ロシア軍がルハンシク空港を占領。
<7月11日>
▽親ロシア軍がウクライナ軍の大隊を攻撃し、ロヴェンキーの南とルハンシク州ゼレノピリアで数十名が死亡したと伝えられている。
<7月14日>
▽ウクライナ軍のAn-26輸送機がウクライナ東部上空で地対空ミサイルを受け撃墜される。
<7月16日>
▽ウクライナ空軍の戦闘機がウクライナ東部上空でロシア空軍の戦闘機に撃墜される。
<7月17日>
▽ドネツク地域の上空を飛行していたマレーシア航空MH17便が地対空ミサイルで撃墜され、乗客乗員298人全員が死亡した。ウクライナ軍とルガンスク政府軍は事件への関与を否定した。
<7月23日>
▽ウクライナ空軍の戦闘機2機がルガンスク政府の支配エリア内で撃墜される。ウクライナ政府はロシア軍の長距離地対空ミサイルが発射されたと主張した。
<7月31日>
▽ウクライナ政府は、ロシア軍が平和維持軍のふりをしてウクライナの国境を超えたと主張した。
<8月1日>
▽ウクライナ軍が国境の町(フジャンスキー、イズヴァリン、チェルボノパルティザンスクなど)から兵士を撤退させた。
<8月3日>
▽ウクライナ政府はルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国をテロ組織に指定すると発表した。
<8月8日>
▽国境周辺の町アムウローシイフカと周辺地域の軍施設がロシア軍の砲撃を受け壊滅した。
<8月16日>
▽ロシアの外務省はウクライナへの軍隊の派遣を否定したが、ドネツク人民共和国の指導者はロシア軍から戦車30両と装甲車150台の支援を受けたと認めた。
<8月24日>
▽ウクライナのメディアは装甲車250台を含むロシア軍の大隊がアムウローシイフカの町を占領したと報じた。
<8月27日>
▽ウクライナ軍とルガンスク政府軍は港湾都市ノボゾフスクで激しい戦闘を繰り広げた。その後、ルガンスクの支援に入ったロシア軍の戦車部隊がノボゾフスクを制圧した。
<8月30日>
▽ルガンスク政府はイロヴァイスクの町からウクライナ軍が撤退したと発表した。
<9月1日>
▽ウクライナのヴァレリー・ゲレティ国防相は対テロ作戦の終了を宣言したうえで、「ウクライナはロシアの本格的な侵略に直面している」と述べた。
<9月5日>
▽ベラルーシの首都ミンスクでウクライナの代表とルガンスクおよびドネツク政府がミンスク議定書に署名。停戦協定は現地時間18時に発効した。
<9月10日>
▽親ロシアのゲリラ部隊がウクライナ軍に攻撃を仕掛ける。
<9月22日>
▽親ロシアのゲリラ部隊はドネツク空港を攻撃したが、ウクライナ軍の攻撃を受け、撤退した。
<9月26日>
▽ドネツク空港周辺で激しい戦闘が発生、負傷者等の情報は明らかにされていない。
<9月30日>
▽親ロシア軍の戦車部隊がドネツク空港を攻撃した。
<10月1日>
▽ドネツク議会はウクライナ軍の攻撃で民間人9人が死亡し、少なくとも30人が負傷したと発表した。
<10月3日>
▽親ロシアのゲリラ部隊がドネツク空港の旧ターミナルを襲撃。ウクライナ軍はその日のうちにゲリラ部隊からターミナルを奪取した。
<12月9日>
▽ウクライナ、ルガンスクおよびドネツク政府は新たな「休戦協定」に合意した。
<12月12日>
▽親ロシアのゲリラ部隊が国境の町のウクライナ軍に攻撃を仕掛け、少なくとも3人を殺害した。
<12月23日>
▽親ロシアのゲリラ部隊がマリウポリのカルチク川に架かる主要な鉄道橋を爆破した。
ドンバス戦争(2015年~2020年)
<2015年1月24日>
▽親ロシア軍はヴォシロキフスケとザイチェンコの村を砲撃し、民間人30人を殺害した。
<2015年2月12日>
▽ルガンスクとドネツクの指導者が停戦協定ミンスクⅡに署名。しかし、ウクライナ軍と親ロシア・ルガンスク・ドネツク連合軍の衝突は続く。
▽2015年5月20日:ルガンスクとドネツクの指導部は、ロシア化プロジェクトを終了すると終了した。
▽2015年6月15日:ルガンスクとドネツクで反戦抗議デモ。約500人が参加した。
▽2015年9月:ウクライナ、ルガンスク、ドネツクの政府がすべての戦闘を停止することに合意。
▽2016年11月:関係国が停戦協定ミンスクⅡの更新に合意。
▽2016年12月24日:戦争開始から10回目となる無期限停戦協定が発効。
▽2017年1月29日:ドネツクの都市アヴディフカ周辺で戦闘が勃発。
▽2017年2月4日:ルガンスクのオレグ・アナシチェンコ防衛相が自動車爆弾攻撃で死亡した。ルガンスク政府は、「ウクライナの秘密機関」が攻撃の背後にいると主張したが、ウクライナ政府は内部の権力闘争の結果と反論した。
▽2017年2月18日:ロシアのプーチン大統領、ルハンシク州とドネツク州で発行された車両登録証を承認する大統領令に署名。
▽2017年2月20日:ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相、ウクライナ、ルガンスク、ドネツク政府が停戦に合意したと発表。ドイツとフランスが交渉を支援した。
▽2017年3月:ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領、ルガンスクとドネツクへの物資の移動を一時的に禁止する法案に署名。
▽2017年6月24日:ウクライナとドネツクの国境付近で戦闘が勃発。
▽2017年12月27日:ウクライナと分離主義勢力が捕虜を交換。ウクライナ軍はテロリストを200人以上、分離主義勢力はウクライナ兵73人を解放した。
▽2018年1月18日:ウクライナ議会が東部の領土奪還に向けた取り組みを進める法案を賛成多数で可決。
▽2018年3月5日:停戦協定ミンスクⅡ更新。
▽2018年3月26日:ウクライナ、ルガンスク、ドネツクによる3カ国連絡協議会が「包括的かつ持続可能かつ無制限の停戦」に合意。
▽2018年3月30日:ウクライナ、ルガンスク、ドネツクによる3カ国連絡協議会が活動を停止。26日の停戦合意も崩壊した。
▽2018年4月30日:ウクライナ政府がルガンスクとドネツクに対する「対テロ作戦」を「軍事作戦」に置き換える。
▽2018年6月28日:関係国が新しい停戦協定に合意。
▽2018年7月1日:新しい停戦協定が発行。しかし、数時間後に戦闘が勃発し、協定は崩壊した。
▽2018年12月27日:ウクライナ大統領府、ロシア軍がミンスクⅡに違反することなくグレーゾーンの一部を放棄したと発表。
▽2018年12月29日:新しい停戦協定が発行。しかし、その日のうちに戦闘が確認された。
▽2019年3月7日:ウクライナ、ルガンスク、ドネツクによる3カ国連絡協議会が新しい停戦協定に合意、翌日発効した。
▽2019年5月20日:ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキーが大統領に就任。
▽2019年10月1日:ロシア、ウクライナ、ルガンスク、ドネツク、OSCE(欧州安全保障協力機構)がドンバス戦争を終結させる合意文書に署名。
▽2019年10月29日:ウクライナ軍と分離主義勢力がルハンシク州の町ゾロテから撤退。
▽2019年12月9日:プーチン大統領、エマニュエル・マクロン仏大統領、アンゲラ・メルケル独首相、ゼレンスキー大統領がパリで会談。2019年末までにすべての捕虜を交換し、ドンバス地方での新しい選挙に向けた取り組みとさらなる協議を開始することに合意した。
▽2020年3月:国境付近で戦闘が発生。民間人19人が死亡したと伝えられている。
▽2020年6月:ルガンスクはロシア語を唯一の公用語に定め、学校のカリキュラムからウクライナ語を削除した。
▽2020年7月27日:29回目の停戦協定発効。
▽2020年9月6日:ウクライナ軍が分離主義者の砲撃を受ける。兵士3人が死亡。
ドンバス戦争(2021年~現在)
▽2021年1月:ドネツクとルガンスクの指導部は「ロシアのドンバス・ドクトリン(報告書)」の中で、「近い将来、ウクライナ政府の支配下に置かれているドネツクとルハンシク州の一部地域を奪取する」と述べた。なお、ロシアに併合を求めるかどうかについては言及していない。
▽2021年4月:ウクライナ軍がトルコ製の軍用ドローンの展開を開始。
▽2021年11月:ウクライナ軍が分離主義勢力の大砲をドローンで破壊。
▽2021年12月:ウクライナ政府、ロシアがドネツクとルガンスクに狙撃兵や戦車を送っていると主張。ロシアはこの主張を却下した。
▽2022年1月1日:ロシアの侵攻に抵抗する法律「On the foundations of national resistance(国民的抵抗力の基盤)」発効。
▽2022年1月8日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシア兵の砲撃でウクライナ兵1人が重傷を負う。命に別状なし。
▽2022年1月10日:ウクライナ軍のプレスリリース、グレーゾーン内で親ロシアの地雷が爆発。ウクライナ兵2人が死亡した。
▽2022年1月11日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシア兵とウクライナ軍兵士による銃撃戦が発生。ウクライナ兵1人が死亡した。
▽2022年1月12日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシアのロケットランチャーがグレーゾーンに着弾。ウクライナ兵1人が重傷を負う。
▽2022年1月14日:ドネツク政府の報道官、ウクライナ軍が先週だけで少なくとも20回停戦協定に違反したと主張。ルガンスクでは新ロシア兵1人が死亡したと伝えられている。
▽2022年1月23日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシア兵がグレーゾーンに侵入しウクライナ軍を攻撃。ウクライナ兵1人が重傷を負う。
▽2022年1月25日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシア兵がグレーゾーンに侵入しウクライナ軍と交戦。ウクライナ兵1人が軽傷、1人が重傷。
▽2022年2月1日:ドネツク政府の報道官、ウクライナ軍がグレーゾーン近くの村をドローンで空爆し、親ロシア兵1人が死亡したと発表。
▽2022年2月2日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシア兵がグレーゾーンに侵入しウクライナ軍と交戦。ウクライナ兵1人が負傷した。
▽2022年2月5日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシア兵がグレーゾーンに侵入しウクライナ軍と交戦。ウクライナ兵2人が負傷。新ロシア兵はウクライナ東部の軍基地をドローンで攻撃した。
▽2022年2月8日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシア兵が少なくとも3回停戦協定に違反した。ウクライナ軍基地をドローンで攻撃した。
▽2022年2月10日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシア兵が少なくとも8回停戦協定に違反した。
▽2022年2月14日:ドネツクの報道官、ウクライナ兵が民間人2人を殺害、数名に重軽傷を負わせたと発表。
▽2022年2月15日:ロシアの連邦議会下院、プーチン大統領にルガンスクとドネツクの独立を認める動議を賛成多数で可決。
▽2022年2月16日:ロシア連邦捜査委員会、ウクライナ東部国境付近でウクライナ兵に殺された民間人数千人の集団墓地を発見したと発表。ウクライナ政府はこの主張を却下し、偽情報で侵攻を正当化しようとしていると非難した。
▽2022年2月17日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシア兵が少なくとも60回停戦協定に違反した。新ロシア兵の砲弾がウクライナ東部国境付近の幼稚園に着弾、民間人3人が負傷した。
▽2022年2月18日:ドネツクで国境付近の住民推定数千人の避難始まる。ロシアは避難民の支援を表明し、ウクライナを非難した。
▽2022年2月19日:ドネツクを率いるデニス・プシーリンが総動員令を発動。戦闘年齢に達している男性は徴兵される予定。
▽2022年2月20日:ウクライナ軍のプレスリリース、親ロシア兵が少なくとも80回停戦協定に違反した。グレーゾーンで民間人2人が死亡したと報告されている。
▽2022年2月21日:ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がルガンスクとドネツクの独立と主権を公式に承認。両国に平和維持軍を派遣すると発表した。
▽2022年2月21日:ジョー・バイデン大統領がドネツクとルガンスクに対する投資と貿易を制限する大統領令に署名。
▽2022年2月21日:ドネツクの北30kmの地点でウクライナ兵2人が砲撃を受け死亡。
▽2022年2月22日:ロシアのプーチン大統領、ドンバス戦争の停戦協定ミンスクⅡは存在しないと発言。西側諸国は強く反発した。
▽2022年2月22日:西側諸国が対ロシア制裁を発表。24日に予定されていた米露外相会談は中止。米露首脳会談も中止の見込み。
(米国)
・ロシア政府系銀行と富裕層に制裁。
・ロシアのソヴリン債に対する制裁、欧米から資金を調達できなくする。
(日本)
・ロシア国債の新規発行および配布の禁止。
・ルガンスクおよびドネツクの関係者のビザ停止、貿易禁止、資産凍結。
(ドイツ)
・ロシアとドイツを結ぶ新しいガスパイプライン「ノルドストリーム2」の運用開始に向けた手続きを停止。
(イギリス)
・ロシア政府系銀行5行の資産凍結。
・ロシア人(富裕層)3人に渡航禁止令。
(AUS)
・ロシア政府系銀行2行の資産凍結。
・政府高官8人に渡航禁止令。
▽2022年2月22日:米国を含む一部のNATO加盟国が東欧に部隊を追加配備すると発表。
ロシア・ウクライナ戦争(2022年~現在)
文化(目次に戻る
▽ウクライナとロシアの影響を強く受けている。
▽ドネツク人民共和国と深いかかわりを持ち、文化を共有している。
▽石炭産業と機械製造業で収益を上げている。
▽生活必需品は主にウクライナとロシアから輸入している。
▽ウクライナ政府はルガンスク政府を認めていないが、占領下に置かれた市民への支援は継続している。
スポーツ(目次に戻る
▽人気スポーツはサッカー、レスリング、ボクシング、格闘技、ダンスなど。
▽サッカー代表チームは独立サッカー連盟の世界ランキングで16位にランクされている。
▽オリンピックに出場する権利を持っていない。
▽公式の国際大会に出場する権利を持っていない。
▽2014年の独立以前は、ウクライナ代表として国際大会やオリンピックに出場できる権利を持っていた。
その他(目次に戻る
▽ロシアの事実上の支配下に置かれている。
▽ウクライナとのドンバス戦争は停戦状態を何とか維持しているが、終結に向けた協議が進む見通しは全く立っていない。