トランプ大統領はどうしてもワクチンがほしい

ドナルド・トランプ大統領は選挙日(11月3日)の前にCOVID-19ワクチンを是が非でも配布したいと考えており、約束をエスカレートさせている。

しかし、民主党、無所属議員、一部の共和党議員、そして多くのアメリカ国民は、大統領選挙のために作られた「安全と断言できない不完全なワクチン」を接種したいとは考えていない。

世界中でCOVID-19ワクチンをめぐる激しい戦いが続いている。ロシアはそれを既にリリースし、中国も間もなく国民への接種を開始すると発表した。

完全(安全)かつ効果的なワクチンを開発し、コロナウイルスを制した国が世界の頂点に立つ」ことは間違いなく、その座を争っているのがアメリカ、中国、イギリスである。

11月3日が間近に迫っている今、民主党当局およびバイデンキャンペーンチームは繊細な政治的課題に直面している。

民主党がトランプ大統領のワクチン請求を激しく非難しすぎると、配布可能なワクチンに難癖をつけているような印象を与えてしまう。

しかし、民主党当局と大統領候補のジョー・バイデン氏は反発せざるを得ない。そうしなければ、「トランプ大統領は大統領選挙前にワクチンを配布してくれる」「トランプ大統領は11月3日までに配布すると約束したから、期日前投票で彼に投票しよう」などと考える有権者の票が共和党に流れてしまうかもしれない。

ワシントン州のジェイ・インスリー州知事は、「選挙日前に連邦政府が配布したワクチンを受け入れるか?」と記者に尋ねられ、以下のように述べた。

ジェイ・インスリー州知事:
「科学者たちが必要とする全ての検証を正しく実行し、効果的であるという確たる証拠を提供すれば、私はそれを信用する」

「ドナルド・トランプの意見に興味はない。私は科学だけに目を向ける。私はファウチ医師やCDCのエキスパートたちが言うことを信用する。しかし、トランプだけは絶対に信用しない」

9月18日、リベラル派のルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判所判事が死去、女史の後任をめぐる争いが突如勃発したことで、大統領選挙におけるCOVID-19ワクチンへの注目はぼやけてしまっように思える。

今、ワクチンをめぐる戦いが最高裁判所判事の話題にすり替えられると、国民はトランプ大統領の発言だけを記憶する。そして、一部の者は選挙日前にそれが配布されると信じ、票を投じるだろう。

インスリー州知事のコメントは、バイデン氏を含む全民主党関係者の意見と合致した。

民主党関係者はトランプ大統領の約束に繰り返し疑問を投げかけたが、科学者やホワイトハウスコロナウイルス対策チーム最高顧問を務めるアンソニー・ファウチ医師などの指導には従うと誓約している。

トランプ大統領は、差し迫ったワクチン配布の約束を連日言い直している

18日、トランプ大統領は、ワクチン1億回分が年末までに生産され、2021年4月までに全アメリカ国民に提供されると約束した。

ドナルド・トランプ大統領:
「現在、3つのワクチンが最終試験段階に入っている。それらは間もなく承認を得る”だろう”」

「ジョー・バイデンの反ワクチン理論は、多くの国民を死地に追いやる。民主党は大統領選挙のことしか頭になく、ワクチンの悪い噂を流し、我々の票を奪いたいのだろう」

「民主党はワクチンを信用しないと述べ、患者に死を宣告する。しかし、残念なことにアメリカが生み出す最高のワクチンは間もなく公開される”だろう”」

8カ月前、アメリカ国内でコロナウイルスの最初の症例が確認された。政府の疾病管理予防チームの関係者、科学者、専門家、ファウチ医師などは、「安全かつ効果的なワクチンを広範囲な試験で正しくチェックし保証するためには、少なくとも12カ月から18カ月を要する」と述べている。

全アメリカ国民のために、十分なCovid-19ワクチンを製造する

グレート・アメリカン・ワクチン

トランプ大統領はコロナウイルスへの対処を完全に誤り、世界経済を大混乱に陥れ、アメリカ国民約20万人を棺桶に放り込んだ。

当初、アメリカの死者数は6万人程度になるとトランプ大統領は予想していた。しかし、予想は大きく外れ、既に3倍を超えている。

世界を代表するエキスパートたちが、「最悪の事態は乗り切った、と考えるのは時期尚早である」と警告しているにも関わらず、物事は正しい方向に進んでいると信じている共和党有権者がとても多いように思える。

カイザーファミリー財団が先週発表した世論調査によると、10人中4人が、「最悪の事態はまだ始まってもおらず、私たちの背後に迫っている」と回答したという。つまり、6人はそう考えていないのである。

なお、4月上旬に行われた同様の調査では、10人中8人が「最悪の事態はまだ始まっていない」と回答していた。

一方、ほとんどのアメリカ国民は、「共和党の圧力に屈した食品医療品局(FDA)が、不完全なCOVID-19ワクチンを承認するかもしれない」と心配している。カイザーファミリー財団の世論調査では、民主党有権者の85%、無所属61%、共和党35%が懸念すると回答した。

カイザーファミリー財団のモリアン・ブロディ氏はABCの取材に対し、以下のように述べた。

モリアン・ブロディ氏:
「現時点では、大統領選挙前にワクチンが配布されると信じている人は少ない」

「健康問題は政治にとてつもない影響を与える。誤った情報、根も葉もない噂、そして嘘で票を集めてはいけない。公衆衛生当局は、安全かつ効果的なワクチンが確立次第、国民に向けて正しい情報を発信すべきだろう」

困難な戦いに直面している民主党員は、デリケートなワクチン問題への対処を進めている。

カリフォルニア州下院議員のアミ・ベラ氏は、「夏のピークから感染状況は緩やかに減少しており、最悪の事態は終わった」というトランプ大統領の楽観的なコメントを却下した。

アミ・ベラ氏:
「COVID-19ワクチンの開発は喫緊の課題である。それが安全だと証明できれば、1日でも早く国民に配布すべきだ」

「私はワクチンを受け入れる。その力を知っている。安全かつ効果的だと保証されたワクチンを誰もが待ち望んでいる

18日、ナンシー・ペロシ下院議長は、COVID-19ワクチン開発に携わる全ての科学者、研究者たちを称賛したが、「トランプ大統領が任命したFDA委員」に対しては批判的だった。

ナンシー・ペロシ下院議長:
「私たちは素晴らしい科学者や研究者、関係者たちが寝る間も惜しんで開発を続けているワクチンを望み、彼らに祈りを捧げている。それは途方もない”違い”を生み出す」

大統領選挙前に不完全なワクチンを配布してはいけない。安全と効果を保証できないワクチンなどいらない。しかし、科学者や研究者は答えを出す」

先週、ビューティーリサーチが発表した世論調査によると、アメリカ国民の約半数が、「ワクチンを今日から入手できるのであれば、間違いなく購入する」と回答したという。

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