◎シドニー・パウエル弁護士「ホワイトハウスに火炎放射器を持ち込み、バイデン政権の陰謀を焼き払うよう努力しなければならない」
◎マイケル・フリン元中将「大統領は軍事力を利用できる。軍を各州に配置し、再選挙を行えばいい」
2020年12月2日 ロイター通信/ジョージア州アルファレッタ、「クラーケンを解き放った」シドニー・パウエル弁護士

ABCニュースによると、12月18日午後に陰謀論者のシドニー・パウエル弁護士とトランプ大統領、そして元国家安全保障顧問のマイケル・フリン元中将が会合を開いたという。

陰謀に憑りつかれたパウエル弁護士はトランプ大統領に、「ホワイトハウスに火炎放射器を持ち込み、バイデン政権の陰謀を焼き払うよう努力しなければならない」と進言した。

今週始め、フリン氏は保守的な報道機関ニュースマックスの取材に対し、「大統領は軍事力を利用できる。軍を各州に配置し、再選挙を行えばいい」と語った。

18日の会合を最初に報じたニューヨーク・タイムズ紙や批評家は懸念を表明した。

ワシントンD.C.の監視グループCREWは大統領執務室で議論された焦土作戦について、「権力乱用。極めて遺憾。間違っており、非難されなければならない」と語った。

2020年12月2日 ロイター通信/ジョージア州アルファレッタ、「クラーケンを解き放った」シドニー・パウエル弁護士

CREWのノア・ブックバインダー氏はABCニュースの取材に対し、「選挙の結果を覆そうとするトランプ大統領の継続的な試みは、私たちの民主主義の安定とそれに対する市民の信頼に計り知れない損害を与えた」と述べた。

ノア・ブックバインダー氏:
「フリン元中将はトランプ大統領に戒厳令を発出させ、選挙を強制的に覆すよう提案した。大統領は危険人物を再びホワイトハウスに招き入れ、脅威のレベルを引き上げた」

一部の批評家は、パウエル弁護士がトランプ大統領の最終章を開幕させる可能性があると指摘し、今すぐ反対するよう促した。

裁判所はパウエル弁護士の訴えをことごとく退けている。

先週、嫌がらせに直面したドミニオン・ヴォーティング・システムズはパウエル弁護士の主張について、「陰謀。証拠も根拠もなく、ただの言いがかり」と述べた。

パウエル弁護士は、「ドミニオン・ヴォーティング・システムズの投票機がバイデン氏に何千もの票を与えた」と主張し、訴訟を起こしている。

ABCニュースによると、会合は白熱し、パウエル弁護士は「チームトランプのメンバーは、エイズとの戦いを諦めた」と叫んだという。なお、ホワイトハウスのマーク・メドウズ首席補佐官、パット・チポロン顧問などは、トランプ大統領に会合を行わないよう忠告している。

またABCニュースによると、トランプ大統領の顧問弁護士、ルディ・ジュリアーニ氏も焦土作戦に反対したという。

2017年1月22日 ブルームバーグ:/ワシントンD.C.ホワイトハウス、トランプ大統領に赦されたマイケル・フリン元中将

情報筋によると、18日の会合の中で、「大統領令を使ってドミニオン・ヴォーティング・システムズの投票機を全て押収、調査する」という計画も話し合われたという。

なお、ジュリアーニ弁護士も以前に同様の提案を行っているが、メドウズ首席補佐官に却下されている。

選挙支援委員会(EAC)のベン・ホブランド委員はABCニュースの取材に対し、「判断しかねる」と述べた。

ベン・ホブランド委員:
「投票機は地方の選挙機関などが所有している。それらは州および地方の財産であり、それを押収・調査することで何が始まるかは、正直よく分からない」

パウエル弁護士は、他の弁護士以上の成果を上げるという評判を築き上げてきた。

連邦捜査官(FBI)に虚偽の供述をしたフリン氏の弁護を引き受けた際も、新しい戦略(司法取引を撤回し、FBIは不正に手を染めていると突然暴れ出した)で形勢をひっくり返した。

この戦略は厳しく批判されたが、司法省は起訴を取り下げ、今年、フリン氏はトランプ大統領から恩赦を与えられ、ロシア疑惑偽証事件は完結した

パウエル弁護士は大統領選挙の結果を真っ向から否定し、共和党支持者の怒りと憎悪を煽り続けている。

トランプ大統領は19日の定例ツイートで、「今年一番の嘘はジョー・バイデンが選挙に勝ったことだ」と述べた。

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