▽やり直し大統領選は5月4日に予定されている。過半数を獲得する候補が出なかった場合は5月18日の決選投票で勝者を決める。
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ルーマニアの「やり直し大統領選」に立候補しているナショナリストのシミオン(George Simion)氏が最後の追い込みをかけている。
投票日は5月4日。シミオン氏は前回投票で4位だったが、今回は離脱した極右候補を支持する人々の受け皿になることで、決選投票進出を目指している。
憲法裁判所は昨年12月、大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、親ロシア派の極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏の決選投票進出に待ったをかけた。
やり直し大統領選までの間、国会議長が大統領代行を務めている。
憲法裁は人工知能(AI)を含むデジタル技術の違法な使用や、未申告の選挙資金が使用されたと指摘。また、ジョルジェスク氏がソーシャルメディア・プラットフォームで「優遇措置」を受け、その結果、有権者の意思表示が歪められたとしている。
また憲法裁は「ロシアの介入が疑われる」と指摘した。
選挙管理委員会は先月初め、ジョルジェスク氏のやり直し大統領選への立候補を拒否。ジョルジェスク氏は憲法裁に異議を申し立て、この決定を覆すよう求めた。
しかし、憲法裁はジョルジェスク氏の訴えを退けた。
ウクライナへの軍事援助に反対し、EU指導部に批判的で、トランプ(Donald Trump)米大統領の大ファンであるシミオン氏が勝利すれば、ルーマニアは欧州で孤立し、民間投資が損なわれ、NATOの東側が不安定化する危険があると政治アナリストは指摘する。
シミオン氏は「ルーマニア・ファースト」を公約に掲げ、保守的な政策、ユーロ懐疑主義、米国のMAGA運動との緊密な連携を提唱している。
シミオン氏は最近の選挙集会で、「トランプ閣下が政権を獲得したように、欧州でもメイク・ヨーロッパ・グレイト・アゲイン運動が多数派になると信じている」と語っていた。
シミオン氏は11月の大統領選第1回投票で4位となり、その後の選挙中止をクーデターと呼び、抗議デモを主導した。
シミオン氏は自身およびその政党が勝利した場合、ジョルジェスク氏を首相に任命すると示唆している。
やり直し大統領選は5月4日に予定されている。過半数を獲得する候補が出なかった場合は5月18日の決選投票で勝者を決める。
情報機関はジョルジェスク氏の陣営がティックトック(TikTok)のユーザーに36万1000ユーロの報酬を支払い、ジョルジェスク氏のコンテンツを宣伝させたと主張している。
ジョルジェスク氏は自身の選挙活動費をゼロと公言していた。
捜査当局はジョルジェスク氏が公職選挙法に違反した疑いがあるとみて捜査している。