▽コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動。そのほとんどが土地や貴重な鉱物などを守るために戦っている。
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コンゴ民主共和国とルワンダが5月2日までに和平協定案を作成し、武装グループへの軍事支援をやめると誓った。
この合意は米国が仲介し、コンゴ東部に平和をもたらすと期待されている。
コンゴ東部ではルワンダ政府の支援を受ける反政府勢力M23(3月23日運動)が猛威を振るっている。コンゴ政府はこの紛争における今年の死者数が7000人を超えたと報告している。
米政府は紛争を仲介することで、コンゴの希少な鉱物資源にアクセスしたいと考えている。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダは長年、この主張を否定してきた。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。
ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。
国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。
政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。
ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは数百万人がテント生活を送っている。
国際社会はこの紛争が1990年代から2000年代の第2次コンゴ戦争のような規模に発展することを恐れている。この戦争では500万~600万人が死亡したと推定されている。
コンゴとルワンダは25日、武装集団や犯罪組織を取り締まるための共同安全保障調整メカニズムを模索することでも合意した。
両国の外相はルビオ(Marco Rubio)米国務長官の仲介で合意文書に署名した。
コンゴ大統領府は声明で、「この米国が仲介した合意で我が国に平和が訪れることを確信している」と述べた。
コンゴ政府は希少な鉱物資源と引き換えに、米国に安全保障を提供するよう求めてきた。
米国務省は先月、コンゴとの鉱物資源取り引きに前向きであると表明した。
M23が主導する「コンゴ川同盟」は1月末に東部の最大都市である北キブ州ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動。そのほとんどが土地や貴重な鉱物などを守るために戦っている。