▽コロル氏は23年、国営ブラジル石油公社（ペトロブラス）をめぐる汚職事件で2000万レアル（約5億円）を受け取ったとして、収賄罪で実刑判決を受けた。
ブラジルのフェルナンド・コロル・デ・メロ（Fernando Collor de Mello）元大統領が25日未明、北東部アラゴアス州で逮捕された。現地メディアが速報で報じた。
コロル氏は23年、国営ブラジル石油公社（ペトロブラス）をめぐる汚職事件で2000万レアル（約5億円）を受け取ったとして、収賄罪で実刑判決を受けた。
コロル氏はその見返りとして、同社の幹部人事を政治的に支援したとされる。
TVグローボなどによると、コロル氏は逮捕後、最高裁判所に服役を開始するよう命じられたという。
1990～92年まで大統領を務めたコロル氏は8年10カ月の実刑判決を受け、当初は自宅軟禁ではなく、刑務所に服役することになっていた。
ブラジルの法制度では大統領や国会議員などに関する事件は最高裁に直接送られる。コロル氏の弁護団は控訴している。
コロル氏は75歳。21年間の軍事独裁政権を経て、1989年の選挙で初当選を果たした。
国会は1992年、一連の汚職疑惑を受け、コロル氏の不信任決議案を可決した。
2007年、コロル氏は地元であるアラゴアス州で上院議員に選出された。
最高裁のジモラエス（Alexandre de Moraes）判事は24日、コロル氏の逮捕状を発行した。
ジモラエス氏は命令の中で、「コロル氏は刑期を終えるべきだ」と述べ、コロル氏の弁護団が控訴を通じて手続きを引き延ばそうと試みていると指摘した。
