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▽M23が主導する「コンゴ川同盟」は1月末に北キブ州の最大都市ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。
コンゴ民主共和国、北キブ州郊の道路、陸軍の兵士(Getty Images)

アフリカ中央部・コンゴ民主共和国のチセケディ政権はアンゴラが来週開催を予定しているコンゴ最大の反政府勢力M23(3月23日運動)との和平協議に代表団を派遣することを検討している。現地メディアが13日に報じた。

アンゴラ大統領府は前日、コンゴ政府とM23の直接協議が18日に首都ルアンダで開始されると発表した。コンゴ政府とM23はこれまで一度も協議したことがない。

チセケディ(Félix Tshisekedi)大統領はこれまでM23との直接協議を拒否してきた。政府も今のところ、アンゴラ協議への参加を確認していない。

アンゴラ大統領府はX(旧ツイッター)への投稿で、「この地域が危機から脱する方法を見つけるのを助けたい」と述べた。

M23が主導する「コンゴ川同盟」は1月末に北キブ州の最大都市ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。

M23は2月初めに一方的に停戦を宣言したが、ゴマ郊外ではそれ以降も激しい戦闘が続いている。

コンゴのトゥルカ(Judith Suminwa Tuluka)首相は先月末、東部紛争における今年の死者数が7000人を超えたと明らかにした。

国連はM23がゴマを制圧して以来、3000人近くが死亡、約2900人が負傷したと報告している

欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助を停止した。

ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中という情報もある。

ルワンダ大統領府は1月末、「コンゴとの全面戦争に応じる用意がある」と表明した。

ロイター通信はコンゴ政府筋の話しとして、「大統領らはアンゴラの提案を真剣に検討している」と伝えている。

AP通信は当局者の話しを引用し、「代表団をアンゴラに派遣する用意があるが、M23と直接協議するのではなく、仲介者を通じた間接協議を望んでいる」と報じた。

またこの当局者は「M23と協議するか否かにかかわらず、ルワンダの責任を追及する政府の方針に変わりはない」とした。

M23は13日、アンゴラの提案を歓迎する一方、チセケディ政権に対し、直接交渉することを公に表明するよう求めた。

またM23はアンゴラに代表団を派遣し、「先月の東アフリカ共同体と南部アフリカ開発共同体による緊急首脳会合で採択された決議の実施方法を明確化するよう要求する」と強調した。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダは長年、この主張を否定してきた。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。

ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。

国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。

政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。

ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは数百万人がテント生活を送っている。

M23はブカブから30キロほど離れた地点にある空港も占拠した。

国際社会はこの紛争が1990年代から2000年代の第2次コンゴ戦争のような規模に発展することを恐れている。この戦争では500万~600万人が死亡したと推定されている。

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