▽コンゴはコバルト、リチウム、ウランなどの鉱物が豊富である一方、東部地域での紛争に悩まされ、危機的状況にある。
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米国務省は9日、アフリカ中央部・コンゴ民主共和国との「鉱物契約」について、協議する用意があると表明した。
コンゴの連邦議会上院議員は先週、鉱物と安全保障の取引を売り込むために米政府高官と接触したとされる。
コンゴはコバルト、リチウム、ウランなどの鉱物が豊富である一方、東部地域での紛争に悩まされ、危機的状況にある。
米国はウクライナとも鉱物協定について協議中である。
米国務省の報道官はロイター通信の取材に対し、「コンゴは先端技術に必要な世界の重要鉱物の重要なシェアを占めている」と語った。
また報道官は「責任ある透明性のある方法で鉱物資源を開発するために、コンゴへの米国の民間部門の投資を後押しする用意がある」と述べた。
報道官は「鉱物協定と引き換えに安全保障を提供する用意があるか」という質問に答えなかった。
コンゴ政府は提案の詳細を公にしていない。
大統領府の報道官は先週、コンゴと米国は毎日積極的にやり取りしていると明らかにした。
また報道官は「米国がコンゴに来ることに興味があるのであれば、我々は彼らが開発できるスペースを見つける。コンゴには利用可能な鉱物があり、米国が投資するのは良いことだ」と述べた。
コンゴ最大の反政府勢力M23(3月23日運動)が主導する「コンゴ川同盟」は1月末に北キブ州の最大都市ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。
M23は2月初めに一方的に停戦を宣言したが、ゴマ郊外ではそれ以降も激しい戦闘が続いている。
コンゴのトゥルカ(Judith Suminwa Tuluka)首相は先月末、東部紛争における今年の死者数が7000人を超えたと明らかにした。
国連はM23がゴマを制圧して以来、3000人近くが死亡、約2900人が負傷したと報告している。
欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助を停止した。
ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中という情報もある。
ルワンダ大統領府は1月末、「コンゴとの全面戦争に応じる用意がある」と表明した。
トランプ米政権はこの紛争にほとんど関心を示していないと思われていたが、先週、政府高官がコンゴの上院議員と鉱物について協議していたことが明らかになった。