▽リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。
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アフリカ北部・リビアの砂漠地帯で新たな集団墓地が見つかり、移民とみられる11人の遺体が収容された。地元当局が13日、明らかにした。
それによると、墓地はクフラ北方の砂漠で見つかったという。
この地域では先週、複数の墓地が見つかり、28人の遺体が収容されていた。
ロイター通信は治安当局者の話しとして、「クフラ北部だけで55の墓碑を発見し、収容した遺体の総数はこの1週間で39人に達した」と伝えている。
クフラは首都トリポリから1700キロほど離れている。
リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。
同国で活動する人身売買組織は不安定な情勢を利用して利益を上げているとみられ、エジプト、アルジェリア、スーダンなど、少なくとも6カ国から移民を海岸に移送。頼りないゴムボートや木造船に乗せ、地中海に送り出している。
自力で海岸を目指す移民たちは途中で力尽きた仲間を埋葬し、港を目指す。
国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は10日、リビアの2つの集団墓地で発見された遺体には銃創があったと明らかにした。
それによると、集団墓地はクフラを含む砂漠地帯に数多くあるとみられ、その大半が途中で力尽きた移民のものだという。
ロイター通信によると、この1週間で見つかった遺体の多くが白骨化していた。当局者は警察立ち合いのもと、DNA鑑定用のサンプルを採取した。
リビア赤新月社は先月初め、西部ザウィヤの港沖で移民とみられる10人の遺体を収容した。
西部政府は先週、フェイスブックへの投稿で、「移民から自由を奪い、拷問を加え、残酷かつ屈辱的かつ非人道的な扱いをした一団がいた」と書いた。
また西部政府は生存者の証言に基づき、3人の容疑者(リビア人と外国人2人)を拘束したと明らかにした。
リビアは2011年の革命後、政治的な行き詰まりと争いにより東部と西部に分裂。2つの政府が発足した。混乱が収束する見通しは立っていない。
国連の承認を受けるドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)首相と対立する東部政府のバシャガ(Fathy Bashagha)首相はシルトに拠点を置き、21年3月頃から権力闘争を続けている。