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▽軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン、首都ハルツーム(Getty Images)

アフリカ北東部・スーダンの軍事政権が首都ハルツームを準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」から奪還次第、新政権を発足させる可能性がある。現地メディアが9日に報じた。

軍政は8日、ハルツーム北部の要衝をRSFから奪還したと発表。地上部隊が空軍とドローンチームの後方支援を受けながら前進し、北部の中心街からRSFの戦闘員を追い出したという。

RSFはコメントを出していない。

ロイター通信は9日、軍政関係者の話しとして、「ブルハン(Abdel-Fattah Burhan)将軍はハルツーム奪還後、新政権を発足させる予定である」と報じた。

軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

RSFはハルツームを含む国土の半分を支配している。

軍政はこの数週間でハルツームの一部とその周辺地域の大部分を奪還したと主張している。

8日に軍政が奪還したとされる北部エリアは交易の要衝で、RSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官の親族が所有する不動産があり、RSFの拠点のひとつになっていた。

AP通信によると、軍は8~9日にかけて大きく前進し、ハルツーム中心部の大統領府に迫っているという。

文民政権の樹立を支持すると表明しているRSFは軍の航空能力に圧倒され、後退しているとみられる。

APによると、ブルハン氏は8日、軍政が拠点を置くポートスーダンで閣議を開いた際、新政権に言及したという。

ブルハン氏は閣僚に対し、「それは暫定内閣と呼ぶこともできるし、戦時内閣と呼ぶこともできる。スーダンを反政府勢力から解放するという、私たちの軍事的目標の残りを完遂するための政権だ」と語った。

RSFは現在、西部の大部分を支配しており、北ダルフール州エルファーシルを占領することで、ダルフール全域の支配を確立しようとしている。

RSFはダルフール5州のうち4州(東、西、中央、南)を支配するも、軍政とその支援民兵が激しい抵抗を続ける北ダルフール州は制圧できずにいる。

ブルハン氏はRSFを支援する部族や民兵に対し、「戦闘を放棄すれば罪には問わず、軍の部隊に統合する」と主張している。

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