▽ハルツーム奪還を目指す国軍は戦略的に重要な製油所の支配権をRSFから取り戻すために、戦闘機やドローンを使って敵陣営の拠点を空爆している。
アフリカ北東部・スーダンの軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が首都ハルツームの北部に位置する製油所付近で激しい戦闘を繰り広げている。現地メディアが23日に報じた。
それによると、ハルツーム奪還を目指す国軍は戦略的に重要な製油所の支配権をRSFから取り戻すために、戦闘機やドローンを使って敵陣営の拠点を空爆しているという。
軍政は22日、この地域の領土回復を目的とする作戦の一環として、製油所周辺に向かって前進していると声明を出した。
ロイター通信などによると、製油所から数キロ離れた場所で大きな爆発音や銃声が聞こえているという。
AP通信は目撃者の話しとして、「複数の装甲車が製油所に続く道路を進んでいた」と伝えている。
ソーシャルメディアで共有された動画には陸軍の兵士とみられる一団が製油所近郊の町の入り口に国旗を掲げる様子が映っていた。
報道によると、北ダルフール州エルファーシルでも新たな戦闘が勃発したという。
RSFは今週初め、軍に最後通牒を送り、エルファーシルから部隊を撤退させるよう要求していた。
軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
RSFはハルツームを含む国土の半分を支配している。
RSFはダルフール5州のうち4州(東、西、中央、南)を支配するも、軍政とその支援民兵が激しい抵抗を続ける北ダルフール州は制圧できずにいた。
報道によると、RSFがエルファーシルへの攻撃を開始した直後、軍がハルツーム近郊のRSF拠点を空爆したという。