▽ケニアは昨年6月に初めて警察官をハイチに派遣。今回の追加派遣で総数は600人を超えた。
アフリカ東部・ケニア国家警察の隊員217人が18日、ハイチの首都ポルトープランスに到着し、国連支援ミッションに合流した。
ケニアは昨年6月に初めて警察官をハイチに派遣。今回の追加派遣で総数は600人を超えた。ルト(William Ruto)大統領は1000人の派遣を約束している。
ケニア内相は17日、首都ナイロビの出陣式で演説。隊員に対し、ハイチの法律を遵守して治安維持任務に当たるよう求めた。
また内相は「一部の有権者が自国の問題を優先すべきと主張していることを知っている」と述べたうえで、「ケニアは国連や同盟国と連携して、苦しんでいる国に必要な支援を提供する覚悟がある」と述べた。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは2年以上前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。中部アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
この結果、70万人以上が住まいを失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。
国連によると、昨年ハイチ全土でギャング紛争に巻き込まれて死亡した市民は確認できているだけで5600人を超え、2200人以上が負傷し、1500人近くが行方不明になっている。
国連は警察と支援ミッションが取り締まりを続けているにもかかわらず、いまだにポルトープランスの80%以上がギャングの支配下にあると推定している。