▽プエルトリコは2017年のハリケーンで送電網が壊滅的な被害を受けて以来、送配電や発電設備の改修を急いできた。
米エネルギー省のグランホルム(Jennifer Granholm)長官が10日、米領プエルトリコを訪問し、大晦日の大停電からの復旧に苦労する電力関係者をねぎらい、発電と送電網を強化する必要があると呼びかけた。
プエルトリコの市民はトランプ(Donald Trump)次期大統領がプエルトリコへの資金をカットするのではないかと懸念している。
トランプ氏は以前、プエルトリコを「足手まとい」と呼んだことがある。
グランホルム氏は最後のプエルトリコ訪問で「22年9月にハリケーン・フィオナがプエルトリコを直撃して以来、発電不足が原因で232件の停電が発生している」と指摘した。
またグランホルム氏は「政府が太陽光発電プロジェクトに数百万ドルを投資し、1200メガワット以上の新しい再生可能エネルギーを生み出しているにもかかわらず、新設した発電容量の約半分しか送電できていない」と述べた。
プエルトリコは2017年のハリケーンで送電網が壊滅的な被害を受けて以来、送配電や発電設備の改修を急いできた。地元メディアによると、建て替えが必要な鉄塔は全体の40%にのぼる。
送電網の再建は道半ばだ。なお、2017年のハリケーンが襲来する前から、投資とメンテナンス不足により、送電網はすでに脆弱な状態であった。
エネルギー省はこれまでに、2つのメガソーラー建設など、数億ドルの資金をプエルトリコに提供してきた。
プエルトリコは現在、国内で消費する電力の94%を化石燃料が賄っている。政府は来年までに再生可能エネルギーの割合を40%、2040年までに60%に引き上げるという目標を掲げているが、トランプ氏はこの目標を懐疑的な目で見ている。
先週就任した共和党のゴンザレス(Jenniffer González)知事はグランホルム氏を鼻であしらい、記者会見にも出席しなかった。
ゴンザレス氏はSNSに声明を投稿。「グランホルム氏は最後の記念にプエルトリコを訪問したに過ぎない」と書いた。