▽首都マプトの国際空港にはモンドラーネ氏の支持者が数百人集まり、警察と衝突した。
アフリカ南東部・モザンビークの大統領選に立候補し、与党・モザンビーク解放戦線(FRELIMO)のシャポ(Daniel Chapo)氏に敗れた野党指導者のモンドラーネ(Venancio Mondlane)氏が9日、帰国した。
首都マプトの国際空港にはモンドラーネ氏の支持者が数百人集まり、警察と衝突した。
モンドラーネ氏は空港職員の拍手を浴びながら支持者のもとに歩み寄り、膝をついて神に感謝した。
警察は支持者が無許可で空港ロビーや周辺道路を占拠したとして催涙ガスを使用。逮捕者が出たという情報はない。
モンドラーネ氏は大統領選後、逮捕される恐れがあるとして国外に逃亡。それ以来、SNSで支持者に抗議デモを行うよう呼びかけてきた。
野党はFRELIMOが票を操作したと主張している。
シャポ氏は1月15日の就任式で1期目をスタートさせる予定だ。
昨年末に行われた4日間の抗議デモでは各地の道路が封鎖され、複数の都市で略奪や放火が確認された。マプトの刑務所では少なくとも6000人の受刑者が脱獄し、その多くが今も逃走中だ。
地元の人権団体は抗議デモが始まって以来、250人以上が死亡し、数百人が逮捕されたと報告している。死者の中には警察官も含まれている。
モンドラーネ氏は今週初めにフェイスブックに声明を投稿し、帰国すると発表。警察は9日、空港に通じる道路を封鎖した。
現地メディアによると、空港と周辺道路は催涙ガスに覆われ、ヘリコプターが上空を旋回していた。モンドラーネ氏は到着後、マプト中心部の広場に車で移動、大群衆がその後を追った。
FRELIMOは1975年の独立時に政権を握り、その後、モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)と15年にわたると血生臭い内戦を戦った。RENAMOは後に野党となり、今回の選挙にも候補を擁立した。
FRELIMOは過去にも不正選挙でしばしば非難されてきた。昨年の地方議会選挙後にも激しい抗議デモが起きている。