▽エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。
南米ガイアナ政府は8日、隣国ベネズエラと領有権を争っている係争地エセキボ地域について、国際司法裁判所(ICJ)に仲裁を求めると明らかにした。
エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。
ベネズエラの独裁者であるマドゥロ(Nicolás Maduro)大統領はガイアナがイギリスの植民地であった1899年にイギリス、ロシア、米国が国境を決めて以来、「ガイアナがエセキボを盗んだ」と繰り返し非難していた。
マドゥロ政権は23年末、エセキボに対するベネズエラの領有権主張の是非を問う国民投票を実施。マドゥロ氏は95%が賛成票を投じたことを受け、エセキボに対する主張を強化し、ガイアナからエセキボを取り戻すと誓った。
ガイアナ外務省は声明で、「エセキボの首長を選出するというベネズエラの計画は我が国との紛争に発展したり、緊張を激化させる恐れがあり、22年12月に結んだ協定に違反している」と述べた。
また同省は「ベネズエラがエセキボの州知事を選出する計画を進めるのであれば、ハーグのICJに訴状を提出し、計画を差し止めるよう求める」とした。
ベネズエラはスペイン植民地時代以来、エセキボを自国の領土とみなし、1899年に引かれた国境線を長い間否定してきた。
米石油大手エクソンモービルはガイアナ沖の海底油田で生産を続けており、日量64万5000バレルの石油を採掘している。
ベネズエラ当局がエセキボの管轄権をどのように確立するかは不明である。
国際通貨基金(IMF)によると、ガイアナの22年GDP成長率は60%超。同年の成長率で世界1位となった。