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▽イラン指導部は1979年のイスラム革命以来、多くの外国人を拘束し、西側との交渉の「切り札」として利用してきた。
2025年1月8日/イタリア、首都ローマ、メローニ首相(右)とイランから帰国したセシリア・サラ氏(ロイター通信)

イランの首都テヘランで拘束されたイタリア人ジャーナリストのセシリア・サラ(Cecilia Sala)氏が8日、イタリアに無事帰国し、メローニ(Giorgia Meloni)首相らと面会した。

メローニ氏はサラ氏を出迎えた後、記者団に対し、「この問題が解決したことを嬉しく思う」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

サラ氏はイタリアの日刊紙イル・フォリオの記者。昨年12月13日に報道関係者ビザで入国し、6日後に逮捕された。

国営イラン通信(IRNA)によると、サラ氏は法律に違反した罪で逮捕された。それ以上の情報はない。

サラ氏が拘束される3日前、イタリア・ミラノでイラン国籍の実業家アベディニ(Mohammad Abedini)容疑者が逮捕された。

この男は23年1月28日に3人の米軍兵士が死亡したヨルダンのドローン攻撃に関与したとして、米司法省が指名手配していた。

イランはこの攻撃への関与を否定。さらにアベディニを釈放させるためにサラ氏を逮捕したという批判を退けた。

イラン指導部は1979年のイスラム革命以来、多くの外国人を拘束し、西側との交渉の「切り札」として利用してきた。

イタリア政府は声明で、「テヘランの悪名高いエビン刑務所に監禁されていたサラが外交と諜報ルートでの活動のおかげで解放された」と述べたが、アベディニには言及しなかった。

イラン政府はサラ氏を解放した理由を明らかにしていない。イタリア政府と取引があったかも不明だ。

アベディニはミラノの刑務所に収監されている。裁判所は来週、アベディニの米国への身柄引き渡し手続きに先立ち、自宅軟禁を求める弁護士の要求について決定を下す予定である。

ミラノの主任検察官は8日、地元テレビ局の取材に対し、「今のところ、アベディニの立場は変わっていない」と語った。

一方、ロイター通信は政府高官の話しとして、トランプ(Donald Trump)次期米大統領がメローニ氏にイランとの交渉を許可したと伝えている。

メローニ氏は4日にフロリダ州を訪れ、トランプ氏と会談していた。

ロイターによると、トランプ氏はメローニ氏に対し、この問題を政治化しないことを約束したという。この高官はそれ以上の明言を避けたが、「フロリダ州の会談はサラ氏の解放に一役買った」と述べたという。

イラン外務省はサラ氏を拘束した後、駐イタリア大使を召還し、「米国の要請に基づいて敵対的な対応を取った場合、2国間関係が損なわれる可能性がある」と警告していた。

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