◎警察は少なくとも8人を逮捕したと報告している。
コソボ・プリシュティナ郊外のインフラが爆破され、一部の都市で断水と停電が発生した。政府が11月30日、明らかにした。
クルティ(Albin Kurti)首相は声明で、セルビア政府の支援を受けるテロ組織が施設を爆破したと非難した。
警察は少なくとも8人を逮捕したと報告している。
現地メディアによると、標的となったのはプリシュティナの北方約60キロに位置する町の中にある建物。死傷者の情報はない。
セルビア系少数民族が多く住む同国北部では数日前にも警察署や地方自治体の建物で爆発が報告されていた。
国家警察の報道官は声明で、「セルビア系テロリストは15~20キログラムの爆発物を使い、建屋を爆破した」と述べた。
また報道官はこの爆発に関与したとされる8人を逮捕したと述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
クルティ氏は、「ラドイチッチ(Milan Radoicic)率いるセルビア政府公認の犯罪組織がブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領の支援を受け、施設を爆破した」と非難した。
昨年9月、コソボ北部のセルビア国境近くの集落で銃撃戦が発生。約30人の武装集団が警察官を殺害して集落内にバリケードを設置。その後、コソボ警察との数時間に及ぶ銃撃戦に発展した。
この銃撃戦で武装集団の男3人が死亡。残りはセルビアに逃亡した。
コソボはセルビア政府が襲撃を主導したと主張しているが、セルビアは関与を否定している。
コソボの検察当局は今年8月、この事件に関与したとされる実業家のラドイチッチら45人を起訴した。
この事件で逮捕されたのは3人のセルビア人のみ。ラドイチッチはセルビアに潜伏しているとみられる。
今回逮捕された8人の身元は明らかになっていない。ラドイチッチとのつながりも不明である。
コソボ警察はこのテロを受け、北部の10カ所で家宅捜索を行い、武器、弾薬、軍服、警察の制服、現金などを押収したとしている。
コソボは2008年にセルビアからの独立を宣言。西側諸国の大半はこれを承認したが、セルビアやその同盟国であるロシアと中国は認めていない。