◎現地メディアによると、デモ隊の一部が暴徒化し、警察官に殴りかかったという。警察はこれに応え、数人を拘束した。
2024年11月26日/アルバニア、首都ティラナ、政府与党に抗議するデモ参加者と機動隊(AP通信)

アルバニアの野党支持者たちが26日、首都ティラナ中心部の通りを数時間にわたって封鎖し、ラマ(Edi Rama)首相に退陣を要求した。

ベリシャ(Sali Berisha)元首相を支持する人々と保守的な野党・民主党の支持者たちはティラナ中心部の交差点を占領し、機動隊に飛びかかった。

現在自宅軟禁下にあるベリシャ氏はSNSに声明を投稿。デモ隊を「愛国者」と呼び、ラマ氏に引退を勧告した。「早くやめなさい、この不届き者!」

現地メディアによると、デモ隊の一部が暴徒化し、警察官に殴りかかったという。警察はこれに応え、数人を拘束した。

デモに参加した野党議員のひとりはAP通信の取材に対し、「ラマの命を受けた警察はギャングのように振る舞い、非武装の市民を殴っている」と語った。

機動隊は国会に続く道路を封鎖し、何とか交差点を確保しようとしたが、デモ隊に押し戻され、悪戦苦闘。その後、放水部隊が投入され、少なくとも1回催涙ガス弾が使用された。

ティラナ警察は声明で、「国会議員を含む数百人が許可なく交差点を占用した」と非難した。

民主党同党の議員が誹謗中傷の疑いで実刑判決を受けたことに抗議し、数カ月前からデモを続けている。

民主党のサリアンジ(Ervin Salianji)は2018年、当時の内相に辞任を要求。その後、サリアンジが議会に提出したファイルと音声データが偽物であることが判明し、サリアンジは国外に逃亡した。

紆余曲折の末、サリアンジは名誉棄損で起訴され、9月末に懲役1年を言い渡された。サリアンジは上告し、ラマ氏を「血に飢えたターミネーター」と呼んだ。

野党連合はベリシャ氏らが政治的な動機により告発されたと主張している。

アルバニアでは来年春に議会選が行われる予定。世論調査によると、野党の足並みは揃いそうになく、ラマ氏の与党・社会党が勝利する可能性が高い。

米国務省は2021年、ベリシャ政権時代(2005年~2013年)に発覚した数多くの汚職を非難し、ベリシャ氏とその関係者を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定。イギリスも同じ措置を取っている。

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