◎カイバル・パクトゥンクワ州の一部地域では数カ月前から多数派のスンニ派と少数派のシーア派により対立が激化し、数十人が死亡する事態となっていた。
2024年11月22日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州、シーア派教徒の銃撃事件に抗議するデモ(AP通信)

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で殺害されたイスラム教シーア派の信徒42人の合同葬が執り行われた。現地メディアが22日に報じた。

事件は州都ペシャワル近郊の幹線道路で21日に発生。信徒たちは郊外の町から数台の車に分かれてペシャワルに向かう途中、武装集団の襲撃を受けた。

警察によると、正体不明の武装兵少なくとも4人が車から降りて、バスや車に向けて銃を乱射。6人の女性を含む42人が死亡し、20人が負傷、うち数人は重体だという。逮捕者は出ていない。

犠牲者の遺体は複数の病院からペシャワル郊外の集落に移され、部族の酋長が葬儀を取り仕切った。

地元メディアによると、この地域で生活するシーア派教徒の酋長たちは3日間喪に服すと宣言したという。

棺には白い布がかけられ、犠牲者の名前が書かれていた。

地元の人々が棺を担ぎ、市中心部の広場に移動。合同葬の後、遺族や知人らが棺を各々の墓地に運んだ。

この地区では事件に抗議する集会も行われ、数百人が政府と警察に正義を追求するよう求めた。

酋長たちはデモ参加者に対し、平和的に抗議するよう促した。

カイバル・パクトゥンクワ州の一部地域では数カ月前から多数派のスンニ派と少数派のシーア派により対立が激化し、数十人が死亡する事態となっていた。

地元メディアによると、犯行声明を出した組織は確認されていない。警察は宗派間対立が抗争に発展したことを受け、今回の事件現場となった幹線道路を数週間封鎖し、先週封鎖を解除したばかりであった。

パキスタンの人口は約2億4000万人。99%がイスラム教徒で、シーア派の割合は15%と推定されている。

両派は概ね平和的に共存しているが、シーア派が多数派の地域、特にカイバル・パクトゥンクワ州では数十年にわたり緊張状態が続いている。

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