◎10月下旬にデモが始まって以来、少なくとも20人が死亡、数百人が逮捕されたとみられる。
モザンビーク政府は14日、先月の大統領選に抗議するデモが暴動に発展したことを受け、デモ禁止令を発令した。
内務省は声明で、「禁止令は治安が回復するまで維持される」と述べた。
また同省は市民に対し、デモ隊を見かけた時は警察に通報するよう呼びかけた。
先月初めに行われた大統領選は与党・モザンビーク解放戦線(FRELIMO)のシャポ(Daniel Chapo)氏が得票率70%で勝利。野党は不正があったとして抗議デモを行うよう呼びかけている。
選挙で2位となったモンドラーネ(Venancio Mondlane)氏は国外に逃亡したと伝えられている。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、10月下旬にデモが始まって以来、少なくとも20人が死亡、数百人が逮捕されたとみられる。
警察はデモ隊に催涙ガス弾やゴム弾を使用。先週の暴動では陸軍も介入した。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは14日、禁止令を「弾圧」と呼び、政府に撤回を求めた。
南アフリカは安全上の懸念を理由に、同国との国境を閉鎖している。
FRELIMOは独立時に政権を握り、その後、モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)と15年にわたると血生臭い内戦を戦った。RENAMOは後に野党となり、今回の選挙にも候補を擁立した。
シャポ氏は来年1月に就任する予定だ。