◎野党党首らは選挙を「詐欺」と呼び、市民に抗議デモを行うよう呼びかけている。
アフリカ南東部・モザンビークの大統領選の結果に抗議する野党陣営が治安部隊の攻撃を受け、少なくとも10人が射殺された。2つの医療団体が10月31日、明らかにした。
選挙管理委員会は9日に行われた選挙の最終結果を先週公表。与党・モザンビーク解放戦線(FRELIMO)のシャポ(Daniel Chapo)氏の得票率は70.67%、無所属のモンドラーネ(Venancio Mondlane)氏が20.32%、野党・モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)の候補は5.81%であった。
モンドラーネ氏や他の野党党首らは選挙を「詐欺」と呼び、市民に抗議デモを行うよう呼びかけている。
首都マプトに本拠を置く2つの医師会は共同声明で、「10月18~26日にかけての抗議デモで少なくとも10人が警察に射殺され、63人が銃創を負い、病院に搬送された」と述べた。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは31日、この死者数を11人と発表した。それによると、警察は平和的に抗議しているデモ隊に向けて発砲し、50人以上が撃たれて重傷を負ったという。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも10月16日にナンプラで行われたデモで警察が発砲し、少なくとも1人が負傷したと報告している。
EUの選挙オブザーバーは一部の選挙監視団が集計の監視を妨害され、一部の投票所で不正が確認されたと明らかにしている。
FRELIMOは議会選でも野党を圧倒し、第1党を堅持した。
FRELIMOは独立時に政権を握り、その後、RENAMOと15年にわたると血生臭い内戦を戦った。RENAMOは後に野党となり、今回の選挙にも候補を擁立した。
シャポ氏は来年1月に就任する予定だ。