◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
中米ハイチ・ポルトープランスのいくつかの地区でギャング間抗争が激化したことを受け、19日、多くの市民が政府やNGOなどが運営する避難所に退避した。
地元ラジオ局は17日遅くにポルトープランスの複数の地区にギャングが押し寄せ、銃撃戦を繰り広げていると報じたが、詳細は不明だ。
国家警察はコメントを出しておらず、死傷者の情報もない。
複数の自警団がSNSに声明を投稿。「少なくとも2つの地区で銃撃戦が続いており、ギャング暴力が地域全体を恐怖で支配している」と書き込んだ。
ある自警団は警察と国連ミッションに部隊を派遣するよう促した。「両地区を奪われれば、首都全体を失いかねません...」
17日遅くから18日未明にかけての銃撃戦では少なくとも1人が死亡したと伝えられている。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
中部アルティボニット県では今月初め、地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
ギャングによる攻撃が続く中、バハマの当局者6人が17日、ハイチに到着し、ケニア警察が率いる国連ミッションに加わった。バハマはこのミッションに150人の陸軍兵士を派遣する予定である。