◎事故は16日に発生。近くを通りかかった貨物船が97人を救助し、その後、沿岸警備隊の巡視艇が男性1人の遺体を収容した。
ギリシャ南部クレタ島の沖合で約100人の移民を乗せたボートが沈没した事故について、沿岸警備隊は17日、行方不明になっている2人の捜索を続けていると明らかにした。
事故は16日に発生。近くを通りかかった貨物船が97人を救助し、その後、沿岸警備隊の巡視艇が男性1人の遺体を収容した。
生存者の内訳はパキスタン出身の男性50人、スーダン出身の男性39人と女性2人、バングラデシュ出身の男性5人、ソマリア出身の男性1人。
沿岸警備隊によると、97人はクレタ島の施設で検査を受け、うち女性1人が入院したという。
警察は生存者のうち26歳と24歳の男2人を人身売買の疑いで逮捕したと報告している。
それによると、移民たちは先週、アフリカ北部・リビアの港を出発。1人あたり7000~1万ユーロを支払っていたという。
ボートが沈没した理由は明らかになっていない。
南部コス島沖では15日、トルコ近海から渡ってきた移民船の事故により、子供2人を含む4人が死亡、27人が救助されたばかりだ。
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。しかし、この海域の国境警備は強化されているため、トルコ南部または北アフリカから大型船で直接イタリアに向かう者も少なくない。
ギリシャ当局はレバノンとパレスチナ・ガザ地区の紛争の影響で、地中海を渡ろうとする移民が急増する可能性があると指摘。EU執行部に移民対策を強化するよう求めている。