◎同国の薬物依存症回復支援施設ではしばしば虐待が報告され、その一部は秘密裏に運営され、規制もなく、資金が圧倒的に不足している。
メキシコ、陸軍が押収した麻薬カルテルの銃器(Getty Images)

メキシコ中部グアナフアト州の薬物依存症回復支援施設に正体不明の武装集団が押し入り、4人を射殺した。警察が2日、明らかにした。

それによると、事件は同州サラマンカ市内にある民間のリハビリ施設で1日深夜に発生。ギャングとみられる武装兵が施設内に押し入ったという。

この攻撃で4人が死亡、2人が負傷。武装兵は車で逃亡した。

犯行声明を出した組織は確認されておらず、逮捕者も出ていない。警察が殺人事件として武装兵の行方行方を追っている。

グアナフアト州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」や№2の「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」、麻薬組織「湾岸カルテル」などが支配権をめぐって長年抗争を繰り広げてきた。

地元メディアによると、同国の薬物依存症回復支援施設ではしばしば虐待が報告され、その一部は秘密裏に運営され、規制もなく、資金が圧倒的に不足しているという。

その結果、麻薬カルテルやギャングの怒りを買った施設への攻撃が相次ぐ事態となっている。

グアナフアト州では4年前、民間のリハビリ施設に武装集団が押し入り、27人が射殺された。逮捕者は出ていない。

2010年には北部チワワ州のリハビリ施設が襲撃され、19人が死亡している。地元メディアによると、このような襲撃事件は過去10年で数十件報告されているという。

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