ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
ハイチ、首都ポルトープランスのスラム街(Getty Images)

中米グアテマラのアレバロ(Bernardo Arévalo)大統領は24日、国連総会の演説で、ギャングの暴力に圧倒されるハイチに150人の治安部隊を派遣すると表明した。

アレバロ氏は派遣時期に言及せず、「グアテマラもハイチの平和を取り戻すという国連安全保障理事会の目標にコミットしている」と述べた。

ハイチPKOを率いるケニアも今週、今後数週間のうちに首都ポルトープランスに警察官600人を追加派遣すると表明した。

ケニア政府は今年6月に先発隊として警察官400人を派遣。ハイチ国家警察を支援している。

しかし、国連はPKOの要員と装備が明らかに不足していると指摘。ポルトープランスの治安は改善されず、悪化していると指摘する専門家もいる。

バハマ、バングラデシュ、バルバドス、ベナン、チャドも部隊の派遣(少なくとも1900人)を表明しているが、時期は明言していない。米国は3億ドルを拠出する予定だ。

米国は現在、PKOの体制見直しを提案している。

アレバロ氏はポルトープランスに150人の要員を派遣し、同盟国と共にハイチ警察をサポートすると述べたが、派遣時期は明言しなかった。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

一部メディアによると、ハイチ最大の武装ギャング「G9&Family」の指導者である元警察官の通称「バーベキュー」ことシェリジエ(Jimmy "Barbecue" Cherizier)は先週、数千人の戦闘員に対し、警察との戦闘は身を隠しやすい住宅地で行うよう指示し、地雷やその他爆発物を積極的に活用するよう指示したという。

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